メニュー

中国GDP、2019年は6.1%増に大幅鈍化 29年ぶりの低成長

江蘇省淮安の工場
1月17日、中国国家統計局が発表した2019年の国内総生産(GDP)伸び率は6.1%で、1990年以来29年ぶりの低水準だった。写真は2008年2月、江蘇省淮安の工場で撮影(2020年 ロイター/Patty Chen)

[北京 17日 ロイター] – 中国国家統計局が17日に発表した2019年の国内総生産(GDP)伸び率は6.1%で、1990年以来29年ぶりの低水準だった。米国との通商摩擦や投資低迷を背景に2018年の6.6%から大幅に鈍化した。ロイターがまとめたアナリスト予想とは一致した。一段の景気減速の回避に向け、今年はさらなる刺激策が講じられるとみられる。

昨年第4・四半期のGDPは前年同期比6.0%増で、アナリスト予想と一致。成長率は第3・四半期から横ばいだった。

第4・四半期GDPは前期比では1.5%増加し、予想通り。こちらも伸び率は第3・四半期と同じだった。

国家統計局の寧局長は統計発表後の記者会見で、中国は2020年も積極的な財政政策と穏健な金融政策を維持するとともに、経済が下振れ圧力に直面する中、一段の支援策を導入する方針を示した。

局長は、中国は高い経済成長率をやみくもに目指すことはしないと強調。GDP伸び率が変動するのは普通のことだと語った。

<12月指標には底堅さ>

一方、GDP統計とともに発表された12月の各種経済指標は、鉱工業生産と投資の伸びが加速するなど、予想を上回る内容となった。

12月の中国の鉱工業生産は前年同月比6.9%増で、9カ月ぶりの高水準。アナリストは11月の6.2%増から5.9%増に鈍化すると予想していた。

1─12月の固定資産投資は前年同期比5.4%増加した。アナリスト予想は1─11月実績と同じ5.2%増だった。

12月の小売売上高は前年同月比8.0%増で、予想の7.8%増を上回った。11月は8.0%増だった。

<不動産投資、12月は2年ぶりの低い伸び>

中国の不動産投資は、2019年全体では堅調なペースで増加したが、12月単月では2年ぶりの低い伸びに落ち込んだ。中国の不動産セクターは最近、鈍化の兆しが顕著になっている。

2019年の不動産投資は前年比9.9%増と、1─11月の10.2%増から伸びが鈍化した。ただ、伸び率は2018年の9.5%からは加速した。

ロイターが統計局のデータを基に算出したところでは、不動産投資は12月単月では前年同月比7.3%増で、11月の8.4%増を下回り、2017年12月以来の低い伸びだった。

不動産需要の指標として注目される不動産販売(床面積ベース)は、2019年は前年比0.1%減少した。通年の販売がマイナスになるのは、7.6%減を記録した2014年以来5年ぶりとなる。

ロイターの算出によると、不動産販売は12月は1.7%減で、6カ月ぶりに減少に転じた。11月は1.1%増加していた。