米CPI、11月は予想上回る0.3%上昇 FRBの利下げ休止裏付け

ロイター
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シカゴのスーパー
米労働省が11日発表した11月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前月比0.3%上昇し、市場予想の0.2%上昇を上回った。シカゴで11月撮影(2019年 ロイター/Joshua Lott)

[ワシントン 11日 ロイター] – 米労働省が11日発表した11月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前月比0.3%上昇し、市場予想の0.2%上昇を上回った。米国では11月の雇用統計で示されたように労働市場も堅調。連邦準備理事会(FRB)は当面は利下げを休止する姿勢を示しているが、これを改めて裏付ける結果となった。

10月は0.4%上昇していた。

11月の前年同月比は2.1%上昇した。市場予想は2.0%上昇だった。10月は1.8%上昇していた。

変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数は2カ月連続で前月比0.2%上昇した。四捨五入していない数値は11月が0.2298%上昇、10月が0.1572%上昇だった。11月は医療費や中古車、娯楽費、宿泊費の上昇が押し上げ要因だった。11月の前年同月比は2カ月連続で2.3%上昇だった。

FRBが物価の目安としているコア個人消費支出(PCE)価格指数は10月に前年同月比で1.6%上昇。今年はFRBの目標である2%を下回っている。11月のPCE価格指数は今月末に発表される。

FRBはこの日、2日間の連邦公開市場委員会(FOMC)を終える。10月は今年3回目となる利下げを決めた。7月に2008年以降初めて利下げに踏み切った後、利下げを続けてきたが、今後は利下げを休止することを示唆した。今回の会合では据え置きが予想される。

6日に発表された11月の雇用統計は、就業者数が前月から26万6000人増と、好調に伸びた。失業率は3.5%と、50年近くぶりの低水準まで低下した。住宅市場や貿易、製造業に関する統計も比較的好調で、米経済が失速しているのではなく、緩やかに伸びていることを示唆している。

MUFG(ニューヨーク)にの首席エコノミスト、クリス・ラプキー氏は「米経済には懸念すべきデフレ基調は見受けられず、FRB当局者は需要喚起に向け一段の利下げを実施する必要はない」と述べた。

11月のCPIの内訳は、ガソリンが前月比1.1%上昇した。10月は3.7%上昇していた。食品は0.1%上昇し、3カ月連続で伸びた。家庭用食品は0.1%上昇だった。

帰属家賃は2カ月連続で0.2%上昇。賃貸家賃は0.3%上昇した。10月は0.1%上昇と、11年4月以来の小幅な伸びにとどまった。11月は宿泊が1.1%上昇と、10月の3.8%下落から持ち直したことが押し上げ要因だった。

医療費は0.3%上昇した。10月は1.0%上昇と、16年8月以来の大幅な伸びだった。衣料費は0.1%上昇。10月は1.8%下落していた。

新車は5カ月連続で下落した。自動車メーカーが古いモデルの在庫を処分するために大幅な値引きをしたことが要因とみられる。中古車は0.6%上昇した。10月は1.3%上昇していた。

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