コロナ後の市場でさらに加速する 倉庫、店頭の自動化戦略とは

鈴木 敏仁 (R2Link代表)
Pocket

ウォルマートの設備投資総額は、2010年度からの10年間でおよそ24%減っている。大きく寄与しているのが海外と新店への投資の縮小なのだが、この時期は社員待遇改善に投資を振り向けていたことも寄与している。アメリカ流の表現を使うと設備ではなく“人への投資”に傾いていたのである。

シンボティックのロボットアーム

この傾向が一転したのが21年度で設備投資額は28%増え、22年度も29%増と2年連続で急増している。同社の投資分類は、「Eコマース、テクノロジー、サプライチェーン、その他」「リモデル」「新店(拡大とリロケーション含む)」「海外」の4つで、この2年間に大きく増えたのは「Eコマース、テクノロジー、サプライチェーン、その他」(27.9%増)と「リモデル」(52.2%)の2つである。

テクノロジーとサプライチェーンを1つにくくっているのはもはや両者が不可分な存在であるからだ。この項目は13年度からずっと増加していたのだが、この2年間にとりわけ増やしたことになる。

大手から中堅まで倉庫自動化がトレンドに

その目的の詳細は今号の特集(44~46ページ)に書いたとおり、オートメーションだ。名称はオートメーション・サプライチェーン、ファーストマイルからラストマイルまでのプロセスに可能な限りの

続きを読むには…

この記事はDCSオンライン+会員限定です。
会員登録後、DCSオンライン+を契約いただくと読むことができます。

DCSオンライン+会員の方はログインしてから閲覧ください。

記事執筆者

鈴木 敏仁 / R2Link 代表

在米30年以上、現在はロサンゼルス在住。1997年にアメリカでS.M.R., Inc設立、米国流通業界を軸としたコンテンツ作成ビジネスを開始。また企業が実施する米国流通研修の企画およびコーディネートも合わせてスタート。1998年にリテールウェブを開設。年間訪問店数はのべ600店舗超、現場検証に基づいた分析をモットーとする。

著書

『ソリューションを売れ!』(ニューフォーマット研究所)
『誰も書かなかったウォルマートの流通革命』(商業界)

関連記事ランキング

関連キーワードの記事を探す

© 2024 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態