[パリ 25日 ロイター] – 仏高級ブランドLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)は、米宝飾品大手ティファニーを162億ドルで買収することに合意した。LVMHにとって、過去最大の買収となる。
1株当たり135ドルの現金で買収する。LVMHはティファニー買収により、高級品分野で最も急速に成長しているセクターの1つである宝飾・時計事業の拡充を狙う。LVMHはすでにイタリアの宝飾ブランド、ブルガリやスイスの時計ブランド、タグ・ホイヤーを傘下に収めているが、宝飾・時計事業は全事業の中でも最も規模が小さい。
一方、ティファニーは強力なブランド力を誇るものの、消費形態の変化への対応や若年層の取り込みに苦慮しているほか、業績は中国頼みの状態が続いている。
LVMHとティファニーは共同の発表文で「ティファニー買収は、宝飾品におけるLVMHのポジションを強化し、米国でのプレゼンスの一段の拡大につながる」と表明。LVMHのアルノー会長兼最高経営責任者(CEO)は「ティファニーは米国を象徴するブランドだが、今後は多少フランス色が付くだろう」と語った。
発表を受けティファニー株は米国市場で6%急騰。LVMH株は欧州市場で2%高。
両社によると、買収は2020年半ばに完了する見通し。ティファニーは、同社取締役会がLVMHによる買収に同意するよう株主に推奨したとしている。