米個人消費、9月は0.2%増 賃金は横ばい

ロイター
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ペンシルベニア州のショッピングモールの様子
米商務省が31日発表した9月の個人消費支出(季節調整済み)は、前月比0.2%増と小幅に伸びた。ペンシルベニア州キング・オブ・プルシアで昨年12月撮影(2019年 ロイター/MARK MAKELA)

[ワシントン 31日 ロイター] – 米商務省が31日発表した9月の個人消費支出(季節調整済み)は、前月比0.2%増と小幅に伸びた。ただ賃金は横ばいで、設備投資が一段と落ち込む中、個人消費が経済を支え続けられるかという懸念につながる可能性がある。

8月の数字は当初発表の0.1%増から0.2%増へ上方改定された。

オックスフォード・エコノミクス(ニューヨーク)の米国担当首席エコノミスト、グレゴリー・ダコ氏は「賃金の上昇が加速せず、雇用の伸びも衰える中、消費支出は来年に向けて緩やかになっていく」とし、「連邦準備理事会(FRB)はスタンスを再検証し、来年3月に追加利下げに動くと予想している」と述べた。

今回の統計は前日発表された第3・四半期国内総生産(GDP)の計算に組み込まれた。個人消費は第3・四半期に2.9%増と、健全なペースを保った。前期は2017年第4・四半期以来の高水準となる4.6%増だった。第3・四半期は設備投資が一段と落ち込んだが、個人消費が打撃を幾分和らげた。第3・四半期GDPは1.9%増。前期は2.0%増加していた。

失業率は約50年ぶりの低水準にあり、個人消費を下支えしている。ただ2四半期連続で縮小している設備投資の低迷が労働市場に波及し、個人消費の低迷につながるとの懸念がある。

FRBは前日に今年3回目となる利下げを決めたが、7月から続けている金利の引き下げを一時休止することを示唆した。パウエルFRB議長は「堅調な家計支出と緩和的な金融環境」に支えられ、米経済が緩やかに伸び続けるとの見通しを示した。

個人消費支出(PCE)価格指数は2カ月連続で前月から横ばいだった。エネルギー製品・サービスが1.3%低下し、全体を抑制した。PCE価格指数の前年同月比は1.3%上昇。8月は1.4%上昇していた。

変動の大きい食品とエネルギーを除いたPCEコア指数は前月から横ばい。8月は0.1%上昇していた。9月の前年同月比は1.7%上昇。8月は1.8%上昇していた。

FRBが物価の目安としているPCEコアの前年同月比は今年、FRBの目標である2.0%上昇を下回り続けている。

9月のインフレ調整後の実質消費支出は2カ月連続で前月比0.2%増だった。

個人所得は0.3%増。農場経営者の所得増加が全体をけん引した。米中貿易摩擦の打撃を受けている農家への補助金を反映したとみられる。8月は0.5%増だった。賃金は前月から横ばい。8月は0.6%増加していた。

個人所得の伸びが支出を上回る中、貯蓄は1兆3800億ドルと、前月の1兆3500億ドルから増加した。

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