米卸売物価、7月は前月比+0.2% コア指数下落

2019/08/13 12:00
ロイター

米中貿易摩擦
9日、米労働省が7月の卸売物価指数を発表した 写真はロイター

[ワシントン 9日 ロイター] – 米労働省が9日発表した7月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は、前月比0.2%上昇と控えめな伸びとなった。エネルギーが値上がりする一方、コア物価は下落した。市場予想と一致した。

6月のPPIは前月比0.1%上昇だった。

7月の前年同月比は1.7%上昇し、予想と一致した。前月も同じ伸び率だった。

食品とエネルギー、貿易サービスを除いたコア指数は前月比0.1%下落し、2015年10月以来初めてマイナスとなった。前月は横ばいだった。7月の前年同月比は1.7%上昇と、17年1月以来の小幅な伸びだった。前月は2.1%上昇していた。

緩慢な物価統計を受け、米連邦準備理事会(FRB)が9月17─18日の次回会合で50ベーシスポイント(bp)利下げするとの見方が高まる可能性がある。

最近の米中貿易摩擦の高まりを受け、金融市場は利下げを完全に織り込んでいる。米中摩擦を受け米国債市場では長短金利が逆転し、景気後退のリスクが意識されるようになった。

MUFG(ニューヨーク)のチーフエコノミスト、クリス・ラプキー氏は「軟調な卸売物価は、世界的な貿易戦争による製造業の大幅な減速を反映している」と指摘。「製造業と世界経済が鈍化し続ける中でFRBは9月に再度利下げするだろう」とした。

FRBが物価の目安としているコア個人消費支出(PCE)価格指数の前年同月比は6月に1.6%上昇と、FRBの物価目標である2.0%を下回った。今年は目標に届かない状態が続いている。

米国が中国に課した関税は主に資本財に集中しているため、今のところ物価への影響はほとんどない。ただトランプ大統領が先週、3000億ドル規模の中国製品に9月1日から10%の追加関税を課すと表明したことで、事態が変わる可能性もある。今回の対象品目は主に消費財だ。

7月のPPIの内訳は、エネルギーが2.3%上昇と、前月の3.1%下落から持ち直した。ガソリンが5.2%値上がりしたことがエネルギー価格を押し上げた。モノは0.4%上昇と、前月の0.4%下落からプラスに転じた。7月のモノの値上がり要因はエネルギーが80%以上を占めた。食品は0.2%上昇。前月は0.6%上昇していた。

モノのコア指数は0.1%上昇した。前月まで3カ月連続で横ばいだった。

サービスは0.1%下落し、1月以来初めてマイナスとなった。前月は0.4%上昇していた。7月は宿泊費が4.3%下落したことが押し下げ要因だった。

医療サービスは0.1%上昇。前月は0.2%上昇していた。診察費は0.5%下落と、16年1月以来の大幅な落ち込みだった。前月は横ばいだった。外来費は0.7%上昇し、18年1月以来の大幅な伸びだった。入院費は0.2%下落した。

資産運用管理費用は0.8%上昇。6月は1.8%下落していた。資産運用管理費用と医療保健費用はコアPCE価格指数に組み入れられる。

米国の対中関税は主に資本財を対象にしていたため、インフレに対する影響はわずかだったが、トランプ政権が計画している3000億ドル相当の中国製品に対する追加関税措置は主に消費財が対象となる見込みで、インフレに影響を及ぼす可能性がある。

キャピタル・エコノミクス(ロンドン)のシニア米国エコノミスト、アンドリュー・ハンター氏は、「代替品が乏しい完成消費財で関税の対象となる割合が広がれば、次回の対中追加関税で完成品価格により大きな影響が及ぶ可能性がある」と指摘。「ただそれは中国側が人民元をどれだけ積極的に減価させるかによる」と述べた。

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