[サンフランシスコ 25日 ロイター] – 米グーグルの持ち株会社アルファベットが25日に発表した第2・四半期決算は売上高と利益が予想を上回った。グーグルの広告事業に対する懸念が和らいだことから、アルファベットの株価は引け後の時間外取引で9%急騰している。
米当局は反トラスト法(独占禁止法)を巡りアルファベットへの監視を強化しているが、同社が今後について懸念を誘う見通しを示さなかったことも市場で好感された。株価が26日の通常取引で同じ水準を維持すれば、4年ぶりの大幅な上昇率となる。
売上高は19%増の389億ドル。モバイル広告、動画共有サイトのユーチューブ向けの広告、クラウド事業が好調だった。リフィニティブがまとめたアナリスト予想は増加率が16.82%、売上高が381億5000万ドルだった。
クラウド事業の売上高は約20億ドルと、2017年末時点から2倍に増えている。
純利益は99億5000万ドル(1株当たり14.21ドル)と、前年同期の32億ドル(同4.54ドル)から増加。アナリスト予想の80億2400万ドル(同11.32ドル)を上回った。前年同期は欧州の独占禁止当局に課された罰金に関連して50億ドルの費用を計上していた。
営業利益率は24%と、前期の18%から上昇した。
同社は250億ドルの自社株購入枠を設定したと発表した。
アトランティック・エクイティーズのアナリスト、ジェームズ・コードウェル氏は「投資家は売上高の伸び鈍化を予想していたが、実際は伸びが再び加速した」と指摘。「自社株買いの引き上げやクラウド収入の開示拡大は、経営陣が株価の動向を気に掛けていることを示唆しており、株主にとっては安心材料だ」とした。
グーグルの広告事業とその他の事業の売上高はともに市場予想を上回った。同社のサイトなどでの広告へのクリック数は前期比で6%増加した。アルファベットは売上高の約85%を広告関連事業から得ている。
アルファベットのルース・ポラット最高財務責任者(CFO)はユーチューブ上の不適切なコンテンツへの対策は広告収入に「実質的な影響を全く及ぼさなかった」と述べた。
アナリストによると、市場では規制当局の監視強化が大きな懸念材料となっている。テキサス州司法長官の事務所は25日、複数の州の超党派の司法長官がIT(情報技術)大手に対し、反トラスト法絡みのさまざまな措置を検討していると明らかにしている。
ロイターは先月、米連邦取引委員会(FTC)がグーグルの反競争的行為に関する申し立てを受けて調査準備を進めていると報じた。
フェイスブックは24日の決算発表で、前月にFTCから反トラスト法を巡る調査の対象となっているとの通知を受けたと公表。また、米司法省による米IT大手への同様の調査についても認識していると発表した。
アルファベットは決算発表で当局の調査について触れておらず、グーグルのスンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)はアナリストに対し、調査があれば「建設的に対応する」と述べるにとどめた。