フランス最大手小売業のカルフールは7月17日、買物代行サービスを展開するスペインのグローボ(Glovo)と提携すると発表した。フランス、スペイン、イタリア、アルゼンチンの4ヵ国で、都市部の消費者に食品や日用雑貨などを30分以内に宅配するサービスを行う。
グローボのスマートフォンアプリで注文を受けた商品を、カルフールの食品スーパー業態「カルフール・マーケット」、コンビニ業態「カルフール・シティ」「カルフール・エクスプレス」の店頭でピックアップして、グローボの配達員に渡す。配達員は自転車やスクーターで、注文を受けてから30分以内に商品を届ける。対象商品は、生鮮を含む食品や日用雑貨、美容健康関連商品など約2500アイテム。
最短で今年10月初旬にサービスを始める。当初は、フランスのパリ、スペインのセビリアとバルセロナ、イタリアのミラノとローマ、アルゼンチンのブエノスアイレスでサービスを展開、対象とする都市を徐々に増やす。
グローボは、2015年にスペインで創業。小売業や飲食店と提携し、食品や日用品、医薬品などの買物代行サービスを26ヵ国、186以上の都市で展開している。提携先はファーストフード店なども多く、出前代行の分野では米ウーバー・イーツや英デリバルーと競合する。
カルフールは、フランス国内で食品や日用雑貨を最短1時間で配送する「エクスプレス・デリバリー」を行っているが、グローボとの提携により宅配ネットワークを広げ、インターネット通販(EC)事業を強化する。
カルフールは2022年までにEC事業に2億8000万ユーロ(339億円)を投資する計画で、食品ECの売り上げを50億ユーロに拡大する計画。
カルフールのライバル、カジノは2018年にアマゾン・ドット・コムと提携し、有料のプライム会員向け食品宅配「アマゾン・プライム・ナウ」を通して、パリ近郊の消費者に2時間以内に商品を届けるサービスを始めた。また、19年3月には提携範囲を拡大し、アマゾンの宅配受取ロッカーを1000店舗に設置すると発表した。