5月の米小売売上高0.5%増、前月は上方改定 減速懸念一服も

ロイター
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ニューヨークのショッピングセンター
6月14日、米商務省が発表した5月の小売売上高は前月比0.5%増だった。ニューヨークのショッピングセンターで3月撮影(2019年 ロイター/BRENDAN MCDERMID)

[ワシントン 14日 ロイター] – 米商務省が14日発表した5月の小売売上高は前月比0.5%増だった。4月の数字は当初発表の0.2%減から0.3%増へ上方改定された。個人消費がペースを取り戻していることを示唆し、景気が第2・四半期に急減速しているとの懸念が和らぐ可能性がある。5月の市場予想は0.6%増だった。

5月は前年同月比で3.2%増加した。

ロイターがまとめたエコノミスト予想は前月比0.6%増、前年同月比3.2%増だった。

自動車とガソリン、建材、食品サービスを除いたコア指数は前月比0.5%増。前月の数字は当初発表の横ばいから0.4%増に上方改定された。コア売上高は国内総生産(GDP)の消費支出に最も近いとされる。消費支出は米経済の3分の2以上を占める。

コア指数が4月と5月に底堅く伸びたことは、個人消費が第2・四半期に加速していることを示唆する。第1・四半期は急減速していた。

これを受けエコノミストは第2・四半期GDP予想を引き上げる可能性がある。現在の予想は年率で2.0%増を下回っている。第1・四半期は、輸出と在庫が一時的に増加したことでGDPが年率で3.1%増となった。

輸出は4月に落ち込んだ。在庫投資も鈍化している。製造業生産と住宅販売も4月に減少した。個人消費見通しはまちまちだ。消費者信頼感が底堅さを保つ一方、5月は賃金と雇用の伸びが大幅に鈍化した。

景気は総じて勢いを失ってきている。前年導入された1兆5000億ドル規模の減税政策と財政出動の効果が薄れているからだ。最近悪化している米中貿易摩擦も景気の打撃となっている。

小売売上高の内訳は、自動車が0.7%増だった。前月は0.5%減少していた。ガソリンスタンドは0.3%増。建材・園芸は0.1%増。オンライン小売は1.4%増加した。衣料は横ばい。家具は0.1%増。外食は0.7%増。運動・娯楽は1.1%増加した。

BMOキャピタル・マーケッツのシニアエコノミスト、ジェニファー・リー氏は「米連邦準備理事会(FRB)が年内のある時点で利下げを余儀なくされるとの見方は変わらないが、今回の小売統計は利下げ圧力をある程度軽減する」とし、その点は前向きに受け止められるだろうと述べた。

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