米スーパーマーケット最大手のクローガーは6月12日、食品EC(インターネット通販)専用の配送センターを、シンシナティの本社に近いオハイオ州モンローで着工した。
「カスタマー・フルフィルメントセンター(CFC)」と呼ばれるこの配送センターは、英国の食品EC企業、オカドの技術やノウハウを活用した自動倉庫で、ロボットが庫内での荷物の移動やピッキングを行う。
クローガーはフロリダ州と東海岸中部にもCFCを開設することを決めており、3年以内に国内で20ヵ所を設置する計画だ。
クローガーとオカドは2018年5月に資本業務提携を発表、クローガーはオカドに6%を出資すると共に、「オカド・スマート・プラットフォーム(OSP)」の名称で提供される食品ECソリューションについて、米国内での独占使用権を得た。
自動倉庫と配送ルート最適化ソフト、消費者が利用するスマートフォンアプリなどを含むOSPは、欧州やカナダの大手小売業も利用している。
クローガーはこれまで、ECサイトで受注した商品を店舗で受け渡す「クローガー・ピックアップ(旧クリックリスト)」や、買い物代行のインスタカートなどと連携した食品宅配サービスを展開してきたが、いずれも店頭在庫から商品をピックアップして発送する店頭起点型。このため、サービス対象エリアは店舗周辺に限られているが、CFCを活用した倉庫起点型ECを同時展開することで、カバーエリアを全米に広げていく方針だ。