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米テスラ、ロボタクシー「来年投入」 自動運転車向けチップ公表

4月22日、米電気自動車メーカーのテスラのイーロン・マスク最高経営責任者は、同社製の完全自動運転車「ロボタクシー」が来年、一部の米国市場で利用可能になるとの見通しを示した。テスラのロゴ。昨年1月撮影(2019年 ロイター/Lucy Nicholson)

[サンフランシスコ 22日 ロイター] – 米電気自動車(EV)メーカーのテスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は22日、同社製の完全自動運転車「ロボタクシー」が来年、一部の米国市場で利用可能になるとの見通しを示した。

大胆な目標を掲げて期限内に達成できないことも多い同氏は、そのことを認めながらも「おそらく今から2年後には、われわれはハンドルやペダルのない自動車を製造しているだろう」と語った。

マスク氏はこの日、投資家向けのウェブキャストのプレゼンテーションで、この自動運転車戦略の根幹となるコンピューターチップを披露した。

マスク氏は、半導体開発では新参者にもかかわらず、テスラが世界最高の自動運転車向けチップを設計したと自負。新型半導体を全車に搭載するとし、「現在生産中のテスラ全車は完全自動運転に必要なものはすべて備わっている。必要なのはソフトの改善だけだ」と述べた。

テスラは2016年から自動運転車向けチップの開発に取り組んでおり、マスク氏は以前、2018年までに完全自動運転車が完成するとの見通しを示していた。

投資家はチップに関する発表には反応しなかったようだが、テスラの株価はロボタクシーについての発表を受け、引け後の時間外取引で小幅に上昇した。

ウェドブッシュのアナリスト、ダニエル・アイブス氏は、テスラのロボタクシーに関する野心的な目標は「印象的」だったとした上で、「自動運転を巡る競争ではとりわけ、(米アルファベット傘下の自動運転車部門)ウェイモがかなり先行していることから、テスラの取り組みの実用性や財務的影響」を投資家は懸念するだろうと指摘した。

さらに、「モデル3」の需要やテスラが新たな資金調達を模索するかどうかといった問題がより喫緊の懸念だとの見方を示した。

マスク氏はまた、大半の自動車メーカーが開発する自動運転車に採用されている「ライダー(Lidar)」と呼ばれる検知システムは「無駄なこと」と批判。同システムに頼るメーカーはすべて「絶望的だ」と語った。

テスラは自動運転の視覚システムにカメラとレーダーを採用している。

米消費者情報誌コンシューマー・リポーツは「(テスラの)自動運転システムや安全性に関する主張はデータによる裏付けがない。きょうのプレゼンは消費者の安全よりも投資家を意識しているようだ」とし、テスラの大胆な主張に対して警告を発した。