アマゾンの経営スタイルに変化? ジャシーCEOの方針に”困惑”の声も……

「ニューズフロント」記者 小久保重信
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1997年の上場から四半世紀、創業者ジェフ・ベゾス氏指揮の下、利益より成長を優先し投資を続けた米アマゾン(Amazon.com)。だが2021年7月にアンディ・ジャシー氏が最高経営責任者(CEO)に就任して1年余り経ち、同社の経営スタイルに変化が表れてきた。それは増えすぎた経営資源の削減であり、利益追求を優先するものでもあり、創業以来の理念とは大きく異なる。この新方針を懐疑的に見る関係者も少なくない。

事業縮小・閉鎖、余剰資源削減、採用凍結……

 アマゾンは22年8月、医療サービス「アマゾン・ケア(Amazon Care)」を年内に終了すると発表した。先ごろは21年に発売したばかりの子供向けビデオ通話端末「グロウ(Glow)」の生産打ち切りも明らかにしたばかり。米ニュース専門局のCNBCによると、米国内のコールセンターは1カ所を除きすべて閉鎖。22年10月には、自律走行宅配ロボット「スカウト(Scout)」の試験運用を停止したとも報じられた。

 米『ニューヨーク・タイムズ』紙は22年3月、アマゾンが米国と英国で、リアルの書籍専門店「アマゾン・ブックス(Amazon Books)」を含む、計68店舗を閉鎖すると報じた。また米『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙は22年5月、アマゾンが少なくとも1000万平方フィート(約92万9000㎡、東京ドーム約20個分)の倉庫スペースをサブリース業者を通じて賃貸すると報道。EC需要の減速に伴い施設の収容能力に余剰が生じているという。

 米メディアのインサイダーによれば、アマゾンは「グランド・チャレンジ(Grand Challenge)」と呼ばれる”秘密”の最先端技術研究所の規模を大幅に縮小する計画だ。雇用面では、オフィス職の新規採用を数カ月間停止すると、CNBCなどが22年11月に報じている。同社は主力小売事業のオフィス職採用を年内凍結すると22年10月に明らかにしていたが、この措置を他の部門にも広げる。当面新規採用を抑制することで自然減による人員減少を促すねらいだ

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