アマゾンが中国の電子書籍事業から撤退 一大市場でも”選択と集中”が加速

「ニューズフロント」記者 小久保重信
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米アマゾン(Amazon.com)が中国において、電子書籍サービス「キンドル」事業から撤退すると、ロイター通信や米『ウォールストリート・ジャーナル』紙などが報じた。”世界一のキンドル市場”である中国からの撤退を決断した背景とは—―。

専用端末の販売終了、「キンドルストア」も終了へ

 アマゾンは2022年6月2日、電子書籍サービス「キンドル(Kindle)」の専用端末について、中国での出荷を停止した。電子書籍配信サービス「キンドルストア(Kindle Store)」も23年6月30日に停止する。さらに24年6月30日以降、購入済み書籍のダウンロードも不可能となる。また、モバイル端末用の専用リーダーアプリは24年に中国のアプリストアから削除される。アマゾンは、22年1月1日以降に購入されたキンドル専用端末については返品に応じるとしている。

 ウォールストリート・ジャーナルは、「米国の巨大テクノロジー企業が、世界で最も厳しい検閲ルールを持つ国の1つから撤退する動きだ」と報じている。だがロイター通信によるとアマゾンは撤退理由を「事業戦略の重点分野の調整」としており、「中国政府からの圧力や検閲」を否定している。それ以上の詳細は明らかになっていない。

キンドル端末のシェアは世界1位も、市場は縮小傾向に

 ロイターによると、アマゾンは18年に公表したリポートで、17年末までに中国がキンドルの世界最大の市場になり、専用端末の中国での販売台数は世界全体の4割超を占めたと報告していた。

 ウォール・ストリート・ジャーナルが引用した香港カウンターポイント・リサーチのデータによると、キンドル専用端末の中国でのシェアは1位。だが、スマホやタブレット端末の技術向上に伴い、電子書籍専用端末の市場規模は縮小している。華為技術(ファーウェイ)などの国内メーカーとの競争も激化しているという。

 21年の中国電子書籍端末市場におけるキンドル端末のシェアは65%だった。キンドルの中国版サービスには70万タイトル以上の電子書籍があり同国内で最大。だが、21年の電子書籍端末の販売台数は前年比12.5%減の210万台に落ち込んだ。22年も減少が見込まれると、カウンターポイントは指摘する

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