発表!アメリカ小売業トップ10社ランキング2022!コロナ後の市場はどう変わる?
EC投資を加速させるクローガー&ターゲット

クローガーは、ネットスーパーの強化に向けて物流インフラの整備に取り組んでいる。21年6月、英ネットスーパー専 業オカドグループ( Ocado Group)との提携のもと、EC専用物流施設「カスタマー・フルフィルメントセンター」(以下、CFC)をフロリダ州グローブランドで稼働させ、未出店エリアであるフロリダ州でネットスーパー事業を開始した。リアル店舗の出店ではなくネットスーパーの展開による新規エリアの開拓はほかの州でも行われており、今後拡大していきそうだ。
コストコは、プライベートブランド(PB)「カークランドシグネチャー(Kirkland Signature)」を中心とする商品開発や品揃えなどのMDに優れ、品質のよい商品を圧倒的な低価格で提供し、多くの消費者から支持を集めている。21年度の米国顧客満足度指数(ACSI)では「百貨店およびディスカウントストア(DS)」部門で最も高い顧客満足度を5年連続で獲得。22年8月期第2四半期時点での米国およびカナダでの会員更新率は92.0%と高く、北米の消費者から絶大の信頼を得ていることがうかがえる。
ターゲットも商品力の向上によって新たな顧客層を獲得し、企業ブランドを蘇らせ、業績を順調に伸ばしている。21年度の既存店売上高は同12.7%増、客数は同12.3%増と絶好調で、PBの売上高は同18%増の300億ドル(3兆7500億円)に達し、売上高全体の28.3%を占めるまでになっている。また、同社はコロナ前から店舗をECの配送拠点とするフルフィルメントモデル構築に向けた投資を強化しており、これが奏功して21年度のEC売上高は対前年度比21%増となった。
アップル躍進の理由は? ドラッグストア・ホームセンターは”複占”続く
このほか特筆すべきは、前述のとおり順位を5つ上げてトップ10入りしたアップルだ。「iPhone」「アップルウォッチ」など日本でも誰もが知る世界的テクノロジー企業だが、同社はメーカーであると同時に、直営のリアル店舗とECチャネルを有しており、コロナ禍でも好調に推移。販売額は前年から27.4%増と急伸している。
また、CVSヘルスとウォルグリーンのドラッグストア2社も堅調な業績の伸びを見せており、2社による寡占状態に変化はない。ホームセンターも同様で、前年から販売額が2ケタ増となったホーム・デポと、アップルのごぼう抜きによって同じく堅調ながらも今回は11位に順位を下げたロウズ(Lowe’s)とともに”複占”の状態が続いている。
詳しい解説は、販売額ランキングを完全収録した「●●●●」をご覧ください。
アメリカ小売業大全2022 の新着記事
-
2022/05/13
米国D2C に学ぶ、「顧客中心」のデジマ戦略の進め方 -
2022/05/13
いま米国小売で新たに注目すべき4つの成長株とは? -
2022/05/12
「コロナ後」米消費に変調!店舗回帰も節約モード、ネットスーパーに陰りも意外な好調業 -
2022/05/12
コロナで変わった農作物調達、「バーティカルファーミング」「ハイパーローカル」とは何か? -
2022/05/11
コロナで好調に推移する米コストコが、このあと正念場を迎えるかもしれない リスクとは -
2022/05/11
インフレ深刻化で追い風、米国で躍進する「ディスカウンター」の最新戦略
この特集の一覧はこちら [12記事]

関連記事ランキング
- 2025-05-08スーパーマーケットに商機あり? 米ファストフードで「5ドルメニュー」が恒常化の背景
- 2024-08-26アジアの最先端がここにある NRF APAC2024徹底解説プログラム!オープニング対談
- 2023-06-08アメリカ小売業トップ10社ランキングに見る、大手企業の最新動向!
- 2024-12-23クローガーが予測「25年の5大フードトレンド」、セインズベリーのアルディ対策とは
- 2019-06-25PB商品製造からスタートして韓国で人気沸騰 PBメーンの人気スーパー「no brand」
- 2020-02-27テスコ、中国合弁会社の持ち株を売却、中国から完全撤退
- 2020-04-08ウォルマート、店舗への入店人数を制限、店内は一方通行に、社会的距離を保つため
- 2020-04-27ウォルマート、地元特化型SNSと連携し、ご近所同士の買い物支援可能に
- 2021-01-15急成長続く、世界最大家具EC・ウェイフェアとは?テスコ、アジア撤退が完了
- 2021-05-13アメリカ小売で進む「ミドルマイル」の効率化とフルフィルメント業務の自動化の最前線