英国の食品EC大手でIT企業でもあるオカド・グループ(Ocado Group)は、2021年11月28日に終了した21年度決算を22年2月11日に発表した。営業収益は24億9900万ポンド(約3870億円)で対前年度比7.2%増だった。しかし、税引前損益は1億7690万ポンド(約270億円)であった。
20年度の税引前損益5230万ポンドから赤字額は3倍以上膨らんだわけだが、その理由は明白だ。オカドが近年テクノロジーへの投資を急増させ、フルフィルメントのソリューションである「オカド・スマート・プラットフォーム(OSP)」の技術革新に取り組んできたからだ。
オカドは創業から20年以上、OSPのブラシュアップを重ねてきた。しかし、コロナ禍をきっかけに消費者の食品ECに対するニーズが高まったことから、さらなる技術改良が急務になった。一方で、ノルウェーのフルフィルメント・システム開発会社であるオートストア(AutoStore)から特許侵害で提訴されるといった問題も起き、比類なき革新的なシステムを構築する必要にも迫られた。
さらに、オカドが展開する英国内の食品EC事業の成長性はその市場規模からすると限定的と言わざるを得ない。今後オカドが成長を続けるには、国外のスーパーマーケット(SM)に魅力的なOSPを提供するのが最善の道である。これらの事情から、オカドは
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