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ユーロ圏総合PMI、12月速報は53.4に低下 オミクロン株出現で

独ケルンの街を歩く人々
12月16日、IHSマークイットが発表した12月のユーロ圏の総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は53.4と、前月の55.4から低下し、3月以来の低水準となった。独ケルンで2020年12月撮影(2021年 ロイター/Wolfgang Rattay)

[ロンドン 16日 ロイター] – IHSマークイットが16日発表した12月のユーロ圏の総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は53.4と、前月の55.4から低下し、3月以来の低水準となった。

ロイターがまとめた市場予想の54.0も下回った。新型コロナウイルスのオミクロン株出現で新たな行動制限措置が導入され、サービス業の回復に悪影響が出た。

サービス部門PMIは53.3と、8カ月ぶりの低水準。前月の55.9から低下した。ロイターがまとめた市場予想の54.1も下回った。PMIは50が好不況の分かれ目となる。

IHSマークイットのチーフビジネスエコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「ユーロ圏経済は再び新型コロナで打撃を受けている。感染拡大で特にサービス業の成長が鈍り、結果的に失望を招く年末となった」と述べた。

サービス部門の需要の伸びは4月以降で最低。新規受注指数は54.2から52.6に低下した。

キャピタル・エコノミクスのマイケル・トラン氏は、総合PMIの低下について、規制の強化、消費者の慎重姿勢の高まりがサービス業を中心に経済活動に影を落とし、成長が失速したことを示唆すると述べた。

ドイツの総合PMIは、景況拡大と悪化の節目の50に低下、フランスのPMIも低下した。

ユーロ圏の製造業PMIは58.0と10カ月ぶりの低水準。前月は58.4だった。生産指数は53.9と、前月の53.8から小幅に上昇した。

物価圧力は依然として高水準なものの、前月から和らいだ。投入価格指数は87.0で、前月の88.9から低下。産出価格指数はさらに大幅に低下した。

IHSマークイットのウィリアムソン氏は「供給制約の緩和で物価上昇圧力が一部和らいだ」と述べた。ただINGのバート・コリジン氏は、物価圧力は幾分和らいだが、最悪局面が終わったと結論付けるのは時期尚早と指摘した。

ワクチン接種の進展を背景に、1年先の見通しは改善。総合先行き生産指数は66.5で、前月の66.1から上昇した。