日本政府も見習えば?景気回復・スマホ決済率アップの2兎を追う香港の政策とは
現金給付の電子化で消費が活性化
こうしたシステムにした背景には1度目の“失敗”がある。香港では2020年に1万香港ドルの現金支給を行ったが、その多くが貯蓄に回ってしまい景気浮揚効果は薄かった。配布作業(銀行振り込み)にも膨大な手間がかかっており、その反省から今年は電子消費券の形式となった。
調査会社カンターによると、すでに24%の人が1 回目の2000香港ドルを使い切り、自己資金で追加チャージをしたという。小売店などでもこの電子消費券をあてこんださまざまな販促セールを展開し、利用促進につながったようだ。
香港の各メディアによると、小規模個人商店での日常的な買物から、家族での食事や百貨店などでの高額消費など、さまざまなシーンでの消費面で効果が表れているという。ある試算では香港のGDPを0.7%押し上げるとされているが、それ以上の効果も期待できるという見方が強まっている。