H2Oの26年3月期中間決算 食品事業が増収増益、フォーマット転換の今後は
エイチ・ツー・オー リテイリング(大阪府:以下、H2O)は10月31日、2026年3月期の中間決算を発表した。主力の百貨店事業が反動減などに苦しんだ影響で連結業績は大幅減益となったものの、関西フードマーケット(大阪府)を中心とする食品事業は増収増益となった。関西圏の競争が激しさを増すなか、同事業では消費の二極化に対応すべく、店舗フォーマットの再構築を進めている。会見では、関西フードマーケット(大阪府)の林克弘社長が今後のフォーマット戦略の方向性について明かした。

食品事業が増収増益となった理由とは…
H2Oの2026年3月期の中間決算は、売上高3330億円(対前年同期比0.5%増)、営業利益118億円(同21.0%減)、経常利益124億円(同22.1%減)、親会社株主に帰属する中間純利益69億円(同74.5%減)となった。2ケタの減益となったものの、営業利益は想定を上回り、全体として「概ね計画通りの進捗」(H2O荒木直也社長)としている。
主力の百貨店事業は、総額売上高が2866億円(同6.0%減)、営業利益が82億円(同34.7%減)だった。前年同期にインバウンド売上が好調だった反動に加え、「阪急うめだ本店」(大阪府大阪市)の改装に伴う売場の閉鎖が響いた。
ただし第2四半期は改善がみられ、国内売上は同2.8%増と堅調に推移。「阪神梅田本店」(大阪府大阪市)、「川西阪急スクエア」(兵庫県川西市)の好調や阪神タイガース優勝セールによる押上げで、「阪急うめだ本店」改装の影響を吸収。第2四半期単独では増益に転じている。
一方、食品事業の総額売上高は2160億円(同2.3%増)、営業利益42億円(同13.9%増)と増収増益だった。値上げや米価上昇により既存店一品単価が同4.8%増加し、客単価も同2.2%伸長。既存店売上高が同2.7%増と堅調に推移した。
加えて、25年3月期から推進しているフォーマット転換店舗が、業績を押し上げている。とくに価格訴求型の「関西スーパー デイリーマート市岡店」(大阪府大阪市)は転換後の売上高が同約15%増となるなど好調で、関西フードマーケットの林社長は「プロトタイプとしての手応えを得た。今後は効果を検証しつつ、既存店舗のフォーマット転換を加速する」と力を込めた。






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