2024年の日本の小売業売上高1000社ランキングは、前年に続いてセブン-イレブン・ジャパン(東京都:以下、セブン-イレブン)が首位を堅持した。2~10位の顔ぶれも前年から変わらず、大きなサプライズはなかった。原材料価格の高騰、人件費や物流費などのコスト増、不安定な金融市場と見通せない状況が続く中、大手各社はどのような成長戦略を描いているのか。上位10社の業績と今後の戦略をまとめた。
1.セブン-イレブン・ジャパン
既存店好調で増収増益、全国2.1万店に7NOW導入へ
セブン-イレブンの2024年2月期のチェーン全店売上高は対前期比3.8%増の5兆3452億円で、前期から引き続き堅調であった。また、商品粗利益率が同0.3ポイント改善したことなどから、当期純利益は同4.0%増の2111億円となっている。
既存店売上高は同3.0%増。人流の回復などに伴って客数が同1.6%増と堅調に推移し、客単価も同1.4%増となったが、24年1月以降は客数、客単価ともにやや伸び悩む傾向もみられる。全店ベースの平均日販は69万1000円で、依然としてローソン(東京都)やファミリーマート(東京都)の水準を大きく上回っている。
「食を中心とした世界トップクラスのグローバルリテールグループ」をめざす親会社セブン&アイ・ホールディングス(東京都)の成長戦略の下、さらなる成長をめざすセブン-イレブン。24年2月期はイトーヨーカ堂(東京都)を中心とするスーパーストア(SST)事業などの知見やネットワークを生かした新コンセプト店舗「SIPストア」として、24年2月に既存店をリニューアルするかたちで「セブン-イレブン松戸常盤台駅前店」(千葉県松戸市)をオープンした。
同店では既存店の約1.8倍の売場に生鮮食品や冷凍食品を含めて5300品目を品揃えする。今後は、売上への貢献度が高いカテゴリーや関連購買につながりやすい商品などを見極めながら、「SIPストア」の取り組みを既存店にも水平展開していく方針だ。
スマートフォンで注文した商品が
・・・この記事は有料会員向けです。続きをご覧の方はこちらのリンクからログインの上閲覧ください。