上場ドラッグストア*(DgS)は前期実績と比較可能な19社すべてが増収となった。2023年度はコロナ禍の影響が薄まったが、前年度の特需の反動減が大きく響いて営業減益となったDgS企業もある。売上高トップのウエルシアホールディングス(東京都:以下、ウエルシアHD)は売上高1兆2000億円を突破。都市部の人流回復の追い風があったマツキヨココカラ&カンパニー(東京都)は売上高1兆円を突破した。
*本ランキングおよび本稿では上場調剤薬局チェーンも含めている
DgS各社の23年度の決算(連結ベース)は、前年度との比較可能な上場19社すべてが増収となった。営業増益となったのは同19社中15社だった。23年度は新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類感染症になり、都市部に多く店舗展開するDgS企業は客数の増加が増収に大きく寄与した。一方、電気代を中心に水道光熱費が高止まりしていることに加え、仕入れ価格の上昇により調剤薬局事業や医薬品製造販売事業を手掛ける企業は利益面で苦戦した。
売上高トップのウエルシアHDの24年2月期業績は、売上高が対前期比6.4%増の1兆2173億円、営業利益は同5.3%減の432億円と増収・営業減益となった。
22年6月に完全子会社化したコクミン(大阪府)・フレンチ(大阪府)、22年12月に子会社化したふく薬品(沖縄県)の業績がフルで加算されたことに加え、新規出店が増収に寄与した。一方でコロナ関連需要の反動減に対して、プライベートブランド(PB)の拡販やカウンセリング強化などの施策を継続するも、売上総利益が計画を下回ったことで営業減益となった。
既存店売上高は、物販が対前期比1.6%増と堅調に推移。調剤の既存店売上高は同9.6%増と伸長した。期中にグループ全体で102店舗を新規出店した一方で、不採算の40店舗をスクラップしたほか、81店舗の既存店を全面改装。期末店舗数は2825店舗(海外13店舗含む)となった。既存店への調剤併設を積極的に進めた結果、期末時点の調剤併設店舗は2155店舗まで増えた。
マツキヨココカラ&カンパニーの24年3月期業績は、
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