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2期連続の反動減に苦しむホームセンター業界決算2023 優勝劣敗鮮明、M&A活発化

決算1280

この1年間、ホームセンター(HC)業界は急激な物価高、円安、エネルギー・物流費の高騰など逆風が吹き、営業減益となる企業が多かった。コロナ特需以降、その反動で客数減に苦しみながらも、プロ需要の開拓やM&A(合併・買収)など各社はさまざまな施策に取り組み、成長を模索中だ。その中で、各社の業績は優勝劣敗がより鮮明になっている。

 2022年度はコロナ禍による上海ロックダウンやウクライナ戦争による影響で、急激な物価高に見舞われた。それに加えて、円安による海外仕入れ商品の原価高騰や、エネルギー・物流費の高騰などHC業界にとって逆風が吹いた。

 過去にHC業界では消費税導入時の駆け込み需要や、東日本大震災の復興需要など定期的に特需があった。その際には、「特需一発、反動2年」という格言通り、該当の初年度は特需で業績が跳ね上がるが、その後2年間反動減に苦しんだ。

 今回のコロナ特需でも同様の傾向が見られた。20年度はコロナ禍で外出控えやリモートワークが浸透し、家の中にいる時間が長くなった。それにより、家の中で快適に過ごすための消費、いわゆる「巣ごもり需要」が発生。総売上高は初めて4兆円を上回り、4兆2686億円となった。21年度はその反動減により、ほぼすべての上場HCが減収に。総売上高は4兆1360億円と約1000億円以上減少した。

 22年度は反動減の2年目で、市場規模は縮小し、かろうじて4兆円を維持する見込みだ。客数減に苦しみながらも、客単価が前年度を上回る企業が多かった。その一方で、各企業の業績を見ると優勝劣敗がより鮮明になりつつある。

大手HCの業績は増収・営業減益の傾向

 では、HC各社の22年度業績を見ていこう。22年度より上場HC企業の多くが「収益認識に関する会計基準」(以下、新基準)を適用している。

 DCMホールディングス(東京都)の23年2月期の業績は、

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