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新型コロナ感染による人流の減少で業績が大きく低迷したコンビニエンスストア(CVS)業態。2023年2月期はコロナ収束に伴い大手3社は業績をV字回復させた。新規出店による成長が難しくなっているなか新たな成長施策にも大きく動き出している。一方、回復できていない中小CVSは、ますます窮地に立たされている。
業界首位のセブン-イレブン・ジャパン(東京都:以下、セブン-イレブン)の23年2月期決算は、チェーン全店売上高が対前期比4.0%増の5兆1487億円。既存店売上高伸長率は同3.6%増で、その内訳は客数が同0.3%増、客単価が同3.3%増といずれも前期を上回った。商品粗利益率も同0.2ポイント改善させるとともに、水道光熱費の高騰を主要因とする販管費増を同0.7%に抑え込み、営業利益は同4.4%増の2328億円となっている。
積極的な販促フェアの実施や、高付加価値商品の販売、取扱品目数を増やした売場レイアウトの導入などにより、需要を取り込んだ。店舗の“稼ぐ力”の指標となる平均日販は67万円(同2万4000円増)とコロナ前を超えている。
ファミリーマート(東京都)も、単体のチェーン全店売上高が同4.1%増の2兆9575億円、営業利益に相当する事業利益が同10.8%増の632億円だった。既存店売上高は同4.3%増。とくに客数(同2.7%増)の回復が寄与した。平均日販は53万4000円(同2万3000円増)で同じくコロナ前よりも増えている。
ローソン(東京都)についても、単体のチェーン全店売上高が同4.0%増の2兆2995億円、営業利益が同36.0%増の351億円だった。既存店売上高も同3.6%増で主に客単価(同2.7%増)の増加により伸長した。ただ、平均日販は52万2000円で、同2万4000円増となったものの、コロナ前の水準には達していない。
メディア事業に新型店…次なる成長策を加速へ
コロナ禍の低迷から見事なV字回復を見せた3社だが、
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