発表済みの2月期と同様に、3月期の中間決算でも、水道光熱費の高騰、巣ごもり特需の反動減を理由に減益に沈んだ企業が相次いだ。下期に向けて、各社はどのような施策を展開するのか。本稿では、3月期決算の主要SM4社の中間決算をレポートする。
ヤオコー
光熱費高騰で減益も
通期業績予想は据え置き
ヤオコー(埼玉県/川野澄人社長)の上期決算(連結)は、営業収益が2798億円(対前年同期比3.9%増)、営業利益が159億円(同7.5%減)の増収・営業減益だった。ヤオコー単体業績も、営業収益が2421億円(同2.8%増)、営業利益が142億円(同10.3%減)とこちらも増収・営業減益での着地となった。
減益の主要因は、販売費および一般管理費の上昇だ。上期決算では水道光熱費が同39.3%増と大きく増加。売上総利益高の伸びをもってもその影響を吸収できず、営業利益を押し下げたかたちだ。
前期に巣ごもり消費の恩恵を大きく受けたこともあって既存店も反動減の影響を受け、既存店売上高(ヤオコー単体)は同0.3%減と前期実績を下回った。世界情勢を背景とした値上げの影響で客単価が0.8%増と伸長したものの、客数が同1.1%減となった影響による。
ただ、営業収益営業利益率は5.7%とSM企業としてはトップクラスの水準を維持しており、ヤオコーが高収益企業であることに変わりはない。上期決算は減益となったものの、通期連結の業績予想は据え置き、営業収益5460億円(対前期比1.9%増)、営業利益は255億円(同5.9%増)と増収・営業増益を計画。ヤオコー単体ベースでも増収増益を見込む。
下期は「加須店」「トナリエ宇都宮店」「草加松原店」と、ヤオコー屋号で3店舗の出店を計画する。川野社長は下期の見通しについて「下半期も読みづらい状況が続くことが予想されるが、極端に業績が落ち込むことはないと見ている。経費面では、水道光熱費はコントロールできないが、人件費についてはAI自動発注などを通じて生産性向上を図っていく。厳しい環境だが、当初想定の売上・利益を実現したい」と話す。
反動減、資源価格の高騰といったマイナス要因をはねのけ、ヤオコーは増収増益記録をSM企業としては前人未到の「34」に伸ばすことができるか。これまでさまざまな逆境を乗り越えてきた同社だけに、記録更新に期待がかかる。
サミット
上期は減収減益着地
10月スタートのネットスーパーに注目
サミット(東京都/服部哲也社長)の中間決算は、営業収益が1589億円(対前年同期比
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