実質GDP、7―9月期は年率3.0%減 山際経財相「政策による下支え必要」

ロイター
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川崎市の京浜工業地帯
内閣府が11月15日発表した7─9月期国民所得統計1次速報によると、実質国内総生産(GDP)は前期比マイナス0.8%、年率換算でマイナス3.0%となった。川崎市の京浜工業地帯で2009年4月撮影(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 15日 ロイター] – 内閣府が15日発表した2021年7―9月期実質国内総生産(GDP)1次速報は前期比0.8%減、年率換算で3.0%のマイナス成長となった。半導体不足や東南アジアの感染拡大に伴う部品の供給制約で自動車の生産が滞ったことが影響した。GDP統計の多くを占める個人消費が2四半期ぶりに減少に転じたほか、設備投資や輸出もマイナスだった。山際大志郎経済財政相は談話を公表し、「政策による下支えが必要な状況」との見方を示した。

実質GDP全体が前期比マイナスに転じたのも2四半期ぶり。ロイターが実施した民間調査では前期比0.2%減、年率換算で0.8%減になると予想されていた。

個人消費は前期比1.1%減。自動車や家電など耐久材消費の減少が大きかった。ロイターの予測中央値は前期比マイナス0.5%だった。国内では春先以降、緊急事態宣言など公衆衛生上の措置が長らくとられており、GDPに対するサービス消費の影響は前期比でほぼ横ばいだった。

消費とともに内需の柱となる企業の設備投資は前期比3.8%のマイナスだった。設備投資のマイナスも2四半期ぶり。部品の供給制約などで自動車の生産ができず、一般企業が事業用の車を購入できなかったことが影響したという。建設や生産用機械などもマイナスに寄与した。

輸出は前期比2.1%のマイナス。自動車の生産調整などの影響で5四半期ぶりの減少となった。輸入は同2.7%のマイナス。GDP全体に占める外需の寄与度はプラス0.1%。内需は0.9%のマイナス寄与だった。

10―12月期については、今のところプラス成長になるとの予想が多い。緊急事態宣言などの全面解除を受け、これまで抑制されてきたサービス消費が増加するとみられている。一方、足元でエネルギーや原材料などの価格が上昇している。企業の設備投資や人件費が抑制され、消費者マインドの低下につながることも懸念される。

日本経済研究センターが実施したESPフォーキャスト11月調査(回答期間10月28日─11月5日)によると、10―12月期GDPは年率4.93%のプラス成長に上方修正された。10月調査では年率4.60%のプラス成長が見込まれていた。

山際経財相、「政策による下支え必要」

山際大志郎経済財政相は同日、7─9月期GDPの発表を受けて談話を公表。景気の持ち直しの動きが続いているものの、そのテンポは弱まっており「政策による下支えが必要な状況」との認識を示した。その上で、先進国の中でも遜色のない成長を実現し、将来の成長力強化を図るための十分な内容と規模を備えた新たな経済対策を近く策定するとした。

記者会見では、エネルギー価格高騰への対応、半導体など部品供給への手だても経済対策に入ると述べた。

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