[東京 8日 ロイター] – 内閣府が8日公表した9月の景気動向指数(速報値、2015年=100)は、指標とされる一致指数が前月比マイナス3.8ポイントの87.5と3カ月連続で低下した。耐久財出荷指数や鉱工業用生産、輸出数量指数の大幅な低下が響き、昨年5月以来の下げ幅となった。水準も昨年9月以来1年ぶりの低さとなった。
同指数から機械的に決める基調判断は「足踏みを示している」とし、前月の「改善を示している」から引き下げた。判断の下方修正は2019年8月以来2年1カ月ぶり。
世界的な半導体不足や東南アジアの感染症による車の部品供給制約などで、自動車工業中心に生産・出荷の影響を受けたのが響いた。
先行指数も前月比1.6ポイント低下の99.7となり3カ月連続で低下した。最終需要財の在庫増加や中小企業の売り上げ見通しなどが悪化した。マネーストックも下押しした。
新規機械受注や消費者態度指数、東証株価指数などは感染状況の改善を反映して指数を押し上げた。
景気動向指数は新型コロナウイルス感染が最初に始まった昨年春以降緩やかな回復基調にあるが、コロナ禍前の水準を十分回復せずに再度悪化し始めた。
内閣府では「輸出数量指数の低下が自動車減産など供給要因なのか需要要因なのか今後注視が必要」とみている。