[ワシントン 6日 ロイター] – 国際通貨基金(IMF)は6日、世界経済見通しの一部を公表し、消費者物価の上昇が今秋にピークに達し、2022年半ばまでにコロナ禍前の水準に緩和するという見通しを示した。同時に、供給不足に伴う物価上昇がより長期間持続し、インフレ期待を不安定化させるリスクが存在すると指摘した。
先進国では秋に物価上昇率が3.6%に高まった後、来年中ばまでに2%近辺まで、新興国および途上国では6.8%に達した後、約4%にそれぞれ低下すると予想した。
先進国や途上国における住宅価格高騰や供給不足の長期化、新興国での食品価格上昇圧力や通貨安の継続によって「インフレの高止まりがより長期間続く可能性がある」とした。
特定のセクターで供給混乱の長期化やコモディティー(商品)価格の大幅な振れを考慮したシナリオでは、総合インフレはベースライン予測を「大幅に上回る」可能性が示された。さらに、インフレ期待の一時的な不安定化を想定したシナリオでは「さらに高く、長期間、不安定な動向となる可能性がある」とした。