[東京 24日 ロイター] – 総務省が24日発表した8月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)は99.8と、前年同月比変わらずとなった。携帯電話の通信料が過去最大の下落率となる一方、政府の観光需要喚起策「GoToトラベル」の影響で昨年に宿泊料が大幅に下落した反動で宿泊料が過去最高の伸びとなり、指数を押し上げた。
前年同月比でマイナス圏を脱するのは2020年7月以来。
ロイターがまとめた民間予測に一致した。携帯電話の通信料は前年同月比44.8%下落。総合CPIの下落幅を1.23ポイント拡大した。通信容量の低いプランで安い料金が出てきた影響で、前月の39.6%下落から下落率が拡大した。宿泊料は46.6%上昇し、前月の17.3%上昇を大幅に上回った。
エネルギー価格は5.5%上昇と、前月の5.8%上昇から伸び率が縮小した。このうち、電気代は0.9%上昇と19年9月以来のプラス転換。原油高で発電コストが上昇した影響が出た。
総務省の担当者は政策要因やエネルギー価格を除けば、物価は上昇基調にあるとの見方を示した。
8月の総合指数は前年同月比0.4%下落した。生鮮野菜が18.0%下落して指数を押し下げた。生鮮食品およびエネルギーを除く総合指数は0.5%下落した。