スーパーがコロナ後を生き抜く条件は生産性向上にあり!5つの具体的な投資提案とは

コロナ禍による特需で、食品スーパー(SM)を中心に食品小売各社はこの1年で大きく業績を伸ばすこととなった。しかし、ワクチンの普及が進み、コロナ禍が収束に向かえば、この特需もいずれ終わりを迎えるだろう。今後も生産性を高め売上や利益を確保し続けるためには、人口減少や人手不足など、コロナ前から顕在化していた食品小売業界を取り巻く課題や、コロナ禍で変化した消費者ニーズに対応するための積極的な投資が必要だ。
競争力を高める投資戦略が不可欠
2020年度、SM各社ではコロナの影響に伴うイレギュラーな特需が発生した。生活者の在宅時間が増えたことや、外食の時短要請による内食需要を取り込んだことで、生鮮素材を中心に売上高を伸長させた。一方、経費に関しては、商品の安定供給や混雑緩和のため折り込みチラシを削減。人流を抑えるという観点から営業時間も短縮され、結果として販促費・人件費などの販管費抑制につながった。
また、コロナの影響による購買行動の変化も見られた。緊急事態宣言以降は、感染リスクを避けるため来店回数が減少。複数店舗の買い回りを避け、1店舗でのまとめ買いがみられるようになった。SM3団体が発表している「スーパーマーケット年次統計調査報告書」の回答企業の平均によると、20年の1日客数(平日)は対前年比94.1%(1799人)、1日客数(土日祝)は同95.7%(2069人)と減少した一方で、客単価(平日)は同104.8%(1975円)、客単価(土日祝)は同103.2%(2218円)と前年を上回った。

しかしながら、ワクチンの職域接種が急速に拡大しているなかで、イレギュラーな特需や購買行動がいつまでも続くとは限らない。思い返せばコロナ以前は、人口減の影響やドラッグストア、コンビニエンスストアなどの異業種の台頭により、売上高の減少がみられるSMも存在した。そのほか、働き方改革などの影響も相まって、本部・店舗の双方で人手が不足。従来と同等のサービスレベルを維持できないとの声も耳にした。また、コロナをきっかけに、非対面・非接触のニーズが高まったことで、各社はセルフレジの導入やネットスーパーなどのデジタルトランスフォーメーション(DX)投資を加速させている。このような状況下において、中長期的に生産性を高め、企業競争力を維持・向上させるためには、
食品小売29社の実力を 20の経営指標で読み解く!「スーパーマーケットスーパーデータインデックス2021」 の新着記事
-
2021/07/14
営業利益率5%をめざすミスターマックスHDの5か年経営指標の変化とは -
2021/07/14
PBとDXの強化を推進!5期ぶりの増益となったPLANTの経営指標とは -
2021/07/14
31期連続で増収増益もコロナで既存店売上減少!ドン・キホーテの5か年経営指標の推移とは -
2021/07/14
スマートストア戦略進行中、EDLP磨くトライアルの強みを経営指標から分析 -
2021/07/13
“ドン・キホーテ流”取り入れ、競争力アップしたユニーの経営指標の推移とは -
2021/07/13
食品で北海道トップシェアをめざすイオン北海道の経営指標を分析
この特集の一覧はこちら [32記事]
関連記事ランキング
- 2025-10-23ついに「オーケー VS ハローズ」が現実に! 【今週の大店立地法速報】
- 2025-10-24買上点数は果たしてKPIとなりうるのか? 既存店売上を構成する「部分」と「全体」
- 2025-10-23松戸市内3店舗目で一気にシェア奪取?「生鮮市場TOP松戸新田店」を解説
- 2025-11-17利益面に明暗……ライフ、U.S.M.H、アークスの中間決算を解説
- 2025-11-12ロピア進出機に阪神エリア随一の激戦地に 兵庫・尼崎エリア視察案内!
- 2025-10-29ロピア、ヤオコー、マミーマート……首都圏の新激戦地、千葉・松戸エリアを案内!
- 2025-10-29駅前再開発が熾烈な競争を誘発!? 埼玉・所沢エリアの視察ポイント
- 2025-10-31伊勢崎、高崎に一挙2店舗を出店! ロピア群馬1、2号店の売場を徹底解説
- 2025-10-27過熱する”越境出店”……今、東日本各エリアを徹底的に視察すべき理由
- 2025-10-21“南北いいとこどりMD”に挑戦!「ヤオコーまるひろ上尾SC」の売場を解説
関連キーワードの記事を探す
建て替えで売場・駐車場を大幅拡大!平和堂新店「フレンドマート南郷店」速報レポート
スーパーマーケット視察ガイド西日本編 相次ぐ“越境”で混沌の市場を完全案内!
バロー参戦で大混戦!大阪で視察必須の注目エリア「寝屋川・香里園」の歩き方
第105回 SCの営業時間が全店統一でなくなってきた8つの理由
第103回 マーケティング2.0へ!SCは「神社の参道商売」と同じである理由




前の記事