株価に発行済み株式数をかけあわせて算出する株式時価総額は企業価値を評価する指標として広く使われている。ROA(総資産経常利益率)は、「企業に投下された総資産を使ってどれだけ効率よく収益(経常利益)を得ているか」を示し、企業の収益性を評価する指標として浸透している。本稿では、これら2つのランキングの変化と、各ランキング上位企業の動向を見ていく。
ファストリ続伸で時価総額トップを堅守、上位20位以内にDgS6社がランクイン
小売業の株式時価総額でトップとなったのは、昨年に引き続き、衣料品専門チェーン最大手のファーストリテイリング(山口県)だ。2020年8月期(連結)は減収・減益だったものの、21年8月期は国内ユニクロ事業と中国のユニクロ事業が回復基調にあり、業績が改善。主力の「ユニクロ」のコンセプトである究極の普段着「ライフウェア(LifeWear)」がコロナ禍での在宅需要とマッチしたことも寄与し、21年2月には、時価総額が世界最大の衣料品専門チェーンであるスペインのインディテックス(Inditex)を初めて超えた。
2位も昨年と同様、コンビニエンスストア(CVS)最大手セブン-イレブン・ジャパン(東京都)を傘下におさめるセブン&アイ・ホールディングス(東京都)だった。営業利益ベースで6割以上を占める国内CVS事業は、21年2月の期業績が減収・営業減益になったものの、時価総額が昨年から18.6%下落したローソン(東京都:時価総額ランキング18位)と比べて、その減少幅は小さい。海外CVS事業では、21年5月、石油精製大手マラソン・ペトロリアム(MarathonPetroleum)からガソリンスタンド併設型CVSスピードウェイ(Speedway)の約3900店舗を210億ドル(2兆3100億円)で買収する手続きが完了し、米国内の店舗数は1万3500店超に拡大した。
3位には、昨年までのニトリホールディングス(北海道)に代わり、
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