上場ドラッグストア(DgS)は前期実績と比較可能な19社のうち13社が増収となった。2020年1月から続く新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、2~3月期決算の企業の中には2ケタの増収・営業増益となったところもある。ただし、インバウンド(訪日外国人観光客)需要が消失し、外出自粛要請などもあって都市部の繁華街に多く店舗展開している企業は減収・営業減益となった。
DgS各社の20年度の決算(連結ベース)は、前年度との比較可能な上場19社のうち13社が増収となった。営業増益となったのは同19社中15社だった。
20年度のDgS各社は今も続く新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた。20年1月からはマスク、消毒用アルコールなど衛生用品の需要が急増した一方、入国制限措置によってインバウンド需要が消失し、観光地や繁華街などにある店舗は売上が減少した。一方で食品を多く取り揃える郊外立地の店舗は好調に推移した。
売上高トップのウエルシアホールディングス(東京都)の21年2月期(連結)業績は、売上高が対前期比9.4%増の9496億円、営業利益は同13.7%増の429億円と好調だった。既存店売上高は対前期比4.1%増となった。総合感冒薬・制度化粧品など主要カテゴリーが伸び悩み、また受診抑制・処方日数長期化等の影響で、物販、調剤ともに通期計画は未達成だったが、中期計画の初年度の目標はクリアした。20年3月によどや(高知県)、20年6月にクスリのマルエ(群馬県)を子会社化したことも増収に寄与した。
期中にグループ全体で120店舗を新規出店した一方で、不採算の22店舗をスクラップ。102店舗の既存店を改装。期末店舗数は2207店舗(海外10店舗を除く)となった。既存店への調剤併設を積極的に進め、期末時点の調剤併設店舗は1638店舗まで増えた。22年2月期(連結)業績は売上高1兆210億円を見込む。
サンドラッグ(東京都)も増収・営業増益だった。
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