新型コロナウイルス(コロナ)感染拡大の影響で売上高・客数が落ち込んだコンビニエンスストア(CVS)。各社の発表によると、都心部のオフィス街立地で業績の落ち込みが大きい一方、郊外の住宅地では支持は高まっているという。実際にCVSは立地によってどのように利用されるようになっているのか。消費者の購買データを分析しその実態を明らかにする。
SMが少ない都心部でも食品の買い場になれず
フェリカネットワークス(東京都/疋田智治社長)が提供する「IDレシートデータ」は、個々の消費者に紐づくレシートをデータ化することで、CVSや食品スーパー(SM)、ドラッグストア(DgS)などの業態を横断した購買行動を可視化する独自のデータソリューションだ。レシートの情報源は約2万5000人(アクティブユーザーのみ)で男女比は3:7。年代別構成比は20代以下が20%、30代が29%、40代と50代以上がともに25%となっている。レシートの月間登録枚数は100万枚を超える。
今回はこの「IDレシートデータ」上の、セブン-イレブン・ジャパン(東京都)、ローソン(東京都)、ファミリーマート(東京都)、ミニストップ(千葉県)の4チェーンのデータをもとに、CVSのコロナ禍での利用動向の変化を調査・分析した。
まず、店舗の立地別で利用状況にどのような違いが生じているか調べた。東京都の中で「①若いファミリー層が多い郊外の住宅街」「②オフィス街」「③若い単身世帯が多く、SMの少ない都心部」「④住民の高齢化率が高く、SMが少ない郊外」の4つのエリア別にCVSの店舗を抽出。感染症拡大前の2019年9月、拡大直後の20年3月、拡大から6カ月が経過した20年9月、そして直近の21年3月の4時点で、食品の購入金額(図表❶)とレシート枚数の変化を調べた。
その結果、各社の発表のとおり、リモートワーク拡大の影響を受けた「②オフィス街」では、購入金額、レシート枚数はともに時系列で著しく減少している。
しかし注目したいのが「③若い単身世帯が多く、SMが少ない都心部」でもCVSの購買金額・レシート枚数が減っている点だ。購入金額の
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