ソフトバンクG、前期利益は世界2位 孫会長「満足してない」

ロイター
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ソフトバンクのロゴ
5月12日、ソフトバンクグループは、2021年3月期の連結純利益が4兆9879億円になったと発表した。写真は同社のロゴ。都内で2月撮影(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 12日 ロイター] – ソフトバンクグループは12日、2021年3月期の連結純利益が4兆9879億円になったと発表した。韓国ネット通販大手クーパンの上場などがけん引し、日本企業として過去最大の純利益を計上。世界的にも米アップルに次ぐ2位の巨額利益を得たことになる。

利益5兆円「たまたまの、たまたまの、たまたま」

会見した孫正義会長は、巨額の利益を得たことに「たまたま」を3度繰り返して、上場した投資先企業が人気を集めたことなどが偶然重なったためだと結論づけた。

しかし同時に、自身は「5兆円や6兆円で満足する男ではない。反省点が分かっていれば成長余地はある。製造業のように上場企業を生み出していく」と、成長加速へ貪欲な姿を強調した。

前期のファンド事業の投資利益は7兆5290億円。3月にニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場したクーパンの評価益が2兆5978億円と巨額になり、外部投資家の持ち分増減額を控除した投資利益も4兆0268億円と、前期の1兆4125億円の赤字から一転大幅に黒字化した。

会長は業績の大きな振れについて「この先も株価の上下で(業績は)上がったり下がったりする。ソフトバンクグループにとって、1─2兆円の利益や赤字はニューノーマルだ」と解説。「『孫はばくち打ちになった』と思う人もいるだろう。ひとつの正しい見方で否定はしないが、AI革命に強い関心を持ち、先端技術の学習を継続している」と主張した。

同社は今期業績見通しを「未確定な要素が多い」として開示していないが、会長は21年中に投資先の上場企業数が「昨年を大きく上回ると見込んでいる。すでに準備中だ」と明らかにした。

20年3月期は米シェアオフィス大手のウィー・ワークなどの評価損がかさみ、9615億円の純損失と過去最大の赤字を計上していた。

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