マイクロソフト、1─3月期はクラウド好調で増収 期待先行し株価下落

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4月27日、米マイクロソフトが発表した第3・四半期決算(3月31日まで)は、売上高が予想とほぼ一致し、利益が予想を上回った。ニューヨークで2015年7月撮影(2021年 ロイター/Mike Segar)

[27日 ロイター] – 米マイクロソフトが27日に発表した第3・四半期決算(3月31日まで)は、売上高が予想とほぼ一致し、利益が予想を上回った。ただ時価総額が急増する中、市場では極めて好調な決算結果が期待されていたため、時間外取引で株価は下落している。

第3・四半期の純利益は44%増の155億ドル。売上高は417億ドル、調整後の1株利益は1.95ドル。リフィニティブがまとめたアナリスト予想は、売上高が410億3000万ドル、1株利益が1.78ドルだった。

マイクロソフトは好調なクラウドコンピューティング市場への参入を背景に過去1年間に株価が50%上昇、時価総額が2兆ドル近くに膨んだ。

決算を受けて株価は時間外取引で売りが優勢となった。ただ、その後、幹部が投資家との電話会見で示した業績見通しが予想を上回ったことから下げ幅を縮小させ、2.5%安となった。

ハーグリーブス・ランズダウンの株式アナリスト、ニコラス・ハイエット氏は「マイクロソフトの第3・四半期は税金や為替面での一時的なプラス要因が業績を押し上げたため、市場はそれほど歓迎していない」と指摘。

「マイクロソフトは来年度利益予想に基づくPER(株価収益率)が32.8倍とバリュエーションが高く、こうした状況では少しでも失望を誘えば、市場から厳しい反応を得るというリスクを伴う」と語った。

業務ソフト「オフィス」やクラウドサービス「アジュール」など、ソフトウエアとサービスを統括するコマーシャルクラウド事業の売上高は33%増の177億ドル。

アジュールの売上高の伸びは50%。為替変動調整後では46%と、前四半期の48%から鈍化。 ビジブル・アルファがまとめたアナリスト予想は46.3%だった。

アジュールを含むインテリジェントクラウド事業の売上高は151億ドルと、リフィニティブがまとめたアナリスト予想の149億2000万ドルを上回った。

オフィスのほか、職場向け協業アプリ「チームズ」などを含むプロダクティビティーソフトウエア事業の売上高は136億ドルと、予想の134億9000万ドルを上回った。

チームズを日常的に使用するユーザー数は1億4500万人と、昨年10月時点の1億1500万人から増加した。

ビジネスSNS(交流サイト)「リンクトイン」の為替変動調整後の売上高は23%増加し、ビジブル・アルファ予想(21.9%増)を小幅に上回った。新型コロナ危機で落ち込んだ企業の採用活動の回復が進んでいる。

パソコン用基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」やゲーム機「Xbox」などを含むパーソナルコンピューティング事業の売上高は130億ドル。予想の125億7000万ドルを上回った。

同社は投資家との電話会見で、第4・四半期のプロダクティビティーソフトウエア事業の売上高見通しについて、中央値で139億3000万ドルになるとした。リフィニティブがまとめた予想の135億7000万ドルを上回った。

インテリジェントクラウド事業の売上高は163億2000万ドル、パーソナルコンピューティング事業の売上高は138億ドルになる見通し。市場予想はそれぞれ160億ドル、132億6000万ドルだった。

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