[28日 ロイター] – 米クレジットカード大手・ビザが28日発表した第1・四半期(2020年12月31日まで)決算は、利益が市場予想を上回った。オンライン支出の拡大を背景に、新型コロナウイルス禍で前期に落ち込んでいた決済総額が上向いた。
決済総額(為替変動の影響除く)は5%増加。前四半期は10%減少していた。
アルフレッド・ケリー最高経営責任者(CEO)は「大方の国でデビットカード取引や電子商取引が堅調に推移し、国内支出も底堅かった」と述べた。
同社は、決済処理件数も4%増加したと明らかにしたほか、80億ドル規模の自社株買いを承認したと発表。株価は引け後の時間外取引で1.2%上昇した。
ただ、新型コロナの感染拡大で旅行需要の低迷が続く中、クロスボーダー決済額は21%減少した。欧州域内の決済額を除くベースでは33%の落ち込みとなった。
ビザは、複数の国で感染が再拡大し、国境が封鎖されたことが、実店舗でのカード利用に影響を与えたとしている。
同社は新型コロナ禍を理由に、2021年通年の見通しを示さなかった。
同業のマスターカードやアメリカン・エクスプレス(アメックス)は、感染を抑制する移動規制の緩和やワクチンの配布状況改善に伴い旅行需要が支援され、短期的には事業が上向くとの見通しを示している。
ビザの純利益は31億3000万ドル(クラスA株1株当たり1.42ドル)と、前年同期の32億7000万ドル(同1.46ドル)から減少した。
ただ、リフィニティブIBESによるアナリスト予想の1株当たり1.28ドルを上回った。
純収入は56億9000万ドルで、6%減少した。