富士通、4―9月期営業利益は12.4%減 コロナで商談停滞

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富士通は27日、2020年4―9月期の営業利益(国際会計基準)が前年同期比12.4%減の622億円だったと発表した。写真は展示会で2017年10月撮影(2020年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 27日 ロイター] – 富士通は27日、2020年4―9月期の営業利益(国際会計基準)が前年同期比12.4%減の622億円だったと発表した。採算性の改善や営業費⽤の圧縮が進んだが、新型コロナウイルス感染拡大でプロジェクトの延伸や商談の停滞といった影響があった。

ソリューション・サービス、デバイスの採算性改善や費用減などがプラスに作用した一方、テクノロジーソリューションを中心にコロナによるマイナス影響が重しとなった。磯部武司CFO(最高財務責任者)は会見で、自治体やヘルスケア領域でデジタル化(DX)投資への意欲は強いものの、とりわけヘルスケアでは最前線が繁忙なためIT投資に手が回っていない印象だとし、「積極投資に転じるタイミングは今少し先」との見方を示した。

売上高は、前年同期に消費増税前の駆け込みや米マイクロソフトの旧OS(基本ソフト)のサポート切れに伴う買い替え特需の反動があり、同10.8%減の1兆6318億円となった。純利益は同26.0%減の471億円だった。

21年3月期の営業利益予想は前年比0.2%増の2120億円で据え置いた。リフィニティブがまとめたアナリスト予想の平均は2165億円。磯部CFOは下期のコロナ影響について「国内では次第に(産業・流通などで)受注のデマンドが戻ってくるとみているが、マイナスが縮まるだけであまり勢いはない。海外ビジネスはかなり厳しくみている」と述べた。

11月に完了する携帯電話販売事業の売却は、営業利益で250億円、純利益で180億円のプラス効果を見込むが、コロナの影響で先行きを見通しにくいほか、成長投資の可能性なども踏まえて業績予想は修正しなかった。ただ、磯部CFOは「成長投資は何百億円も突然できるわけではない。そういうことがないと(売却益の)プラスが上乗せになってくる」と上振れの可能性も示唆した。

第5世代(5G)通信網については「基地局のデマンドは強い」(磯部CFO)という。4―6月にかなり強めだったほか、7―9月のボリュームは昨年の倍近かったとし「下期も同じような勢いで出てくる」との見方を示した。

想定為替レートは1ドル105円、1ユーロ120円。

東京証券取引所で発生したシステム障害を巡っては「(社内)処分や経営責任について決定していることはない」(磯部CFO)とした。足元では、再発防止策や広く顧客の再点検を優先していると説明した。

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