絶好調のライフ岩崎高治社長が語った「コロナ禍の取り組みとこれからの戦い方」

2020/10/26 05:55
若狭 靖代(ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
Pocket

5つの「攻める」施策②「キャッシュレス」「ビオラル」

 キャッシュレス決済の推進は、コロナによって現金のやりとりが敬遠される面もありますし、従業員を感染から守るためにも必要なことだと考えています。また、感染防止の観点から、特売日を設けてチラシを配布して、集中的に人を集めるという販促が難しくなりました。その代わりに、キャッシュレス還元で奉仕していこうという方針です。近々、「LaCuCa(ラクカ:ライフの自社電子マネー)」での決済を、アプリで行えるようにもする予定です。また、ライフのセミセルフレジはお客さまから高い評価を頂いています。まだセミセルフレジの導入が終わっていない店舗が90店ほどありますので、追加で15億円の投資を行って、今期末までに全店に導入を完了します。

 「攻め」の最後はビオラル事業です。 ここ数年、お客さまの健康に対する意識が高まっていると感じており、ビオラルはそういった方々に向けたブランドです。16年に大阪に第1号店として、「靭(うつぼ)店」をオープンさせて依頼、確実に認知度は上昇してきていると感じています。下期の取り組みとしては、首都圏1号店のオープンや、特に健康志向のお客さまが多いと分析している既存の約40店舗を対象にビオラルコーナーを導入するなどがあります。健康を気にされるお客さまの需要を取り込み、他社との差別化につなげられればと考えています。

 「変化」するライフと来期への準備

 最後に「変化」についてですが、まず店舗営業の面では、営業時間をどんなに遅くても24時までにしました。また、1月2日は全店休業にしました。販促の面では、チラシや特売での集客に頼らない、EDLP(エブリデー・ロープライス)強化へのシフトがあります。働き方ももちろん変えています。本社でも既に会議を大幅削減したり、もちろんテレワークも導入したりしています。店舗での働き方も、教育を中心に変えていこうとしています。他にも、日配食品のAI発注も今導入していますが、今年度末までに全店で完了する見込みです。電子棚札のトライアルなども行っており、店舗の生産性向上につながる設備を積極的に導入していきます。

 今年の下期以降、従来通り守ることはもちろん攻めること、変えること、これらについてどれだけ準備できるかということが大切だと考えています。来期以降、消費も厳しくなると思いますので、やれることをしっかりやっていく、それが重要です。

1 2 3

関連キーワードの記事を探す

© 2024 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態