[東京 9日 ロイター] – 総務省が9日発表した8月の家計調査によると、全世帯(単身世帯除く2人以上の世帯)の消費支出は27万6360円、実質前年比6.9%の減少となった。昨年の消費税率引き上げ以降、11カ月連続の減少。4、5月の2桁の落込みに比べると小幅となったが、依然として水準は低い。給付金などの効果で実収入は増加しているが、消費意欲は低調となっている。
ロイターの事前予測と同程度の落込みだった。季節調整済み前月比は1.7%増と回復している。
勤労者世帯の実収入は52万8891円で、前年比1.2%の増加。前月までは給付金などの要因で9%以上の高い伸びだったが、その影響も縮小し、小幅な伸びとなった。
支出減少への寄与が大きかったのは、引き続き外出自粛を反映した品目が多い。東京以外のGoToトラベルが実施された夏休みシーズンにもかかわらず、パック旅行は前月とそれほど変わらず9割近い大幅減が続くなど教養娯楽費は減少。外食費も酒代を中心に減っている。自動車購入も振るわないほか、鉄道運賃など交通費は全般に落ち込んでいる。
他方で増加した品目は、消耗品や携帯電話通信料など。家庭での食事が増え、肉類の消費も好調だった。