週刊コンビニニュース 事業利益を分け合う、ミニストップの「パートナーシップ契約」

ダイヤモンド・リテイルメディア 流通マーケティング局
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1週間のコンビニエンスストアに関するニュースをまとめた週刊コンビニニュース。4週間前の「週刊コンビニニュース」でも触れたが、経済産業省と公正取引委員会が、コンビニチェーンの加盟店と本部の信頼関係が崩壊しつつある状況にあることを示唆した。今回のミニストップの「パートナーシップ契約」への変更は、そうした事態を回避する措置だけに、その行方が注目される。「ロイヤリティ」という言葉がなくなり、収入から店舗営業経費と固定費を差し引いた「事業利益」を分け合うわけだから、加盟店も同社も双方が売上アップという共通の目的のために奮闘することにつながるかもしれない。40年ぶりの新契約がどう化けるのか、プラス効果に期待したい(9月22日〜28日のニュースをまとめました)。

ミニストップ

ローソン
スマホ活用でニーズに合わせて特典配信

 ローソンは、9月24日から10月31日の期間、KDDIのau IDに紐づく属性情報や位置情報、決済情報などのデータとローソンでの購買情報に基づき、顧客ニーズと状況にマッチした特典提供、店舗の状況に応じた値引き情報を配信する実証実験を行う。顧客ニーズと状況にマッチした特典提供としては、例えば、20~40代の働く女性向けに、帰宅途中のタイミングで、来店前にデザートのおすすめ広告を行い、商品を購入する特典として最大100Pontaポイントを還元。店舗ごとの値引き情報配信については埼玉県内10店舗で行い、例えば、夕方夜間の時間を中心に、消費期限が近づいた商品(弁当、おにぎり、調理パン、調理麺、ベーカリー、デザートなど)を最大50%OFFの値引き情報を、顧客のau Payアプリにプッシュ配信する。特典提供、値引き情報配信ともに、2021年度中に全国での導入を目指す。

ミニストップ
FC契約を見直し新たな契約形態に移行

 ミニストップは、これまでの加盟店と本部のフランチャイズ契約を抜本的に見直し、新たに「ミニストップパートナーシップ契約」として、2021年9月から運用を開始する。昨今の社会環境、経済情勢の大きな変化に、従来型フランチャイズシステムでは適合することがむずかしく、不都合が発生していることに対応した措置。加盟店の成長、CVS事業の次の成長のため、創業当初の精神に立ち返り、加盟店とともに再び成長すること、また、加盟店とともに働き、一緒に努力することで得られる事業利益をともに分け合うことが、真のパートナーシップにつながると判断した。
 従来の契約では、収入(売上-販売商品原価)から本部収入(ロイヤリティ)が控除された加盟店収入から店舗営業経費(廃棄・人件費など)が引かれ、店舗経費は加盟店負担となっていた。新契約では、収入から店舗営業経費と固定費を差し引いた事業利益を、加盟店と本部で折半することになる。

セブン-イレブン
レンジ麺に初めて“二八そば”を使用
野菜が手軽に摂れる鍋総菜シリーズ

 セブン-イレブン・ジャパンは、レンジで温めて食べるカップタイプの蕎麦に、初となる“二八そば”を採用し、9月30日から発売する。“二八そば”は、小麦粉2に対して蕎麦粉8の割合で仕上げることで、蕎麦の風味や食感を最大限に活かしながら、のど越しの良さを楽しめる。蕎麦粉の割合が多い蕎麦は、長い時間、品質を保つことがむずかしかったが、昨年採用した麺とスープを分ける新容器と、蕎麦の食感や品質を保つつなぎを新たに開発するなど、さまざまな取り組みによって、レンジ麺として初の“二八そば”を実現した。

  • 「石臼挽きそば粉のかき揚げ二八そば」(税抜398円)

 同社はまた、手軽に野菜が摂れる鍋総菜シリーズの新商品2品を、10月1日より順次発売する。1日に必要な野菜の半分が摂れる「カラダへの想いこの手から」シリーズの商品。新たに発売する「1/2日分の野菜 鶏ちゃんこ鍋」(税抜468円)には新容器を採用し、ストレートタイプのスープを使用することで、出汁の風味と香りの向上を実現した。もう1品は「1/2日分の野菜 キムチ鍋」(税抜468円)で、スープに新たに牛すじから取った出汁を加え、旨みを向上させた。

ファミリーマート
「お母さん食堂」3周年で看板メニューをリニューアル

ファミリーマートは「お母さん食堂」の3周年に合わせて、麻婆豆腐やハンバーグなどの看板メニューを、素材・製法などにこだわり、順次リニューアルして発売する。リニューアルの第1弾として、売れ筋商品のハンバーグや「お母さん食堂」開始時から販売している麻婆豆腐など、人気看板メニューの素材や製法を一から見直し、おいしさをさらにアップさせた。

ローソン
<愛媛県>県産真鯛使用のおにぎり
資生堂との共同企画で新アイテム追加
<東北地区>食物繊維が手軽に摂れる「中華スープ」など3品

 ローソンは、コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、出荷量が大きく落ち込んでいる愛媛県産養殖真鯛の消費拡大を応援するため、養殖真鯛を使用した「金しゃり真鯛の鯛めし」(税込298円)を、県内213店舗で9月29日から先行発売する。塩焼にした切身を真鯛のダシと昆布で炊き込んだごはんで包んだおにぎり。10月中旬から下旬には販売エリアを拡大し、中四国エリアの店舗でも販売を開始する。

 同社はまた、資生堂のセルフメイクアップブランド「インテグレート」から、ポーチインコスメとして共同企画した「インテグレート ボリュームバームリップNミニセット」ほか2品目3品種を、9月26日に発売した。

  • 「インテグレート プロフィニッシュリキッド」(ファンデーション2種・税込550円)
  • 「インテグレート ボリュームバームリップN」(口紅・税込550円)

 この他ローソンは、9月29日から東北エリアの1,176店舗で、食物繊維が手軽に摂れる「食べるスープ!肉団子の中華スープ」(税込399円)と「もち麦入り 枝豆と塩昆布のおにぎり」(税込125円)、オリゴ糖が手軽に摂れる「皮まで美味しいシュークリーム」(税込135円)の計3品を発売する。弘前大学が「COI STREAM」プログラムの一環で進めている、食生活改善につながるメニュー考案や情報発信を行う「食生活啓発コンソーシアム」監修の商品。

セコマ
「野菜を食べようキャンペーン」を実施

 セコマでは9月28日から10月11日の期間、北海道との協働企画で、北海道健康増進計画「すこやか北海道21」の取り組みとして「野菜を食べようキャンペーン」を実施する。今年で10年目、通算で23回目を迎える同キャンペーンでは、総菜を活用した野菜の摂取を呼びかけてきた。野菜、海藻、きのこ類を40g以上使用した商品57アイテム販売し、野菜摂取の普及活動を行う。

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