Jフロント、営業損益予想を赤字に修正 「段階的に回復」

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大丸と松坂屋を運営するJ.フロント リテイリングは6月29日、2021年2月期の通期連結業績(国際会計基準)予想を下方修正したと発表した。写真は神戸店

[東京 29日 ロイター] – 大丸と松坂屋を運営するJ.フロント リテイリングは29日、2021年2月期の通期連結業績(国際会計基準)予想を下方修正したと発表した。営業損益予想は従来予想の120億円の黒字から一転、300億円の赤字に見直した。新型コロナウイルスの影響を受けて3─5月期に大幅な売り上げ減となった。今後、段階的な回復を予想するが、従来予想から大きく減少するとみている。

売上収益予想は従来の4110億円を前期比30.9%減の3320億円に、純損益は50億円の黒字予想を260億円の赤字に、それぞれ見直した。5月中旬から段階的に店舗営業を再開し、6月中旬から一部を除き全店で通常営業を再開している。業績の見通しは、主力の百貨店・パルコ事業で訪日外国人観光客を除き、来店客数と売上高、店舗賃貸収入が段階的に回復すると仮定し、算出した。

売上収益は6-8月期に前年実績の約7割、 下半期は同8割程度への回復を見込む。感染拡大リスクへの備えとして、投資の抑制や経費削減、手許資金の積み増し 、資金調達枠の増額など対策を講じており、必要な資金を確保できる体制を整えているとした。

共同通信は同日、三菱UFJ銀行と三井住友銀行などの主要取引行がJ.フロントリテイリングに対し、計3000億円の融資枠を設定したことが分かったと報じた。

年間配当予想は1株当たり9円減配の27円とした。上期は前年同期比9円減配の9円とするが、下期は変わらずの18円とした。

取締役と執行役の報酬減額も発表した。厳しい経営環境にあることを経営陣が重く受け止め、固定費を削減する施策の1つとしている。

一方、3―5月期の売上収益は、前年同期比43.6%減の634億円と大幅に減少した。営業利益は271億円の赤字(前年同期は127億円の黒字)、純利益は284億円の赤字(同121億円の黒字)だった。政府や自治体による外出や営業自粛の要請を踏まえ、百貨店・パルコ事業で長期間の店舗休業や営業時間短縮を実施。訪日外国人消費の減退や国内消費の低迷も響いた。

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