[ロンドン 21日 ロイター] – IHSマークイットが発表した5月のユーロ圏総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は30.5となり、統計開始以来最低となった4月の13.6から上昇した。新型コロナウイルス感染拡大を受けて導入されたロックダウン(都市封鎖)措置が一部で緩和されたことを受けた。
ロイター調査による市場予想中央値(25.0)を大きく上回ったものの、景況の拡大・悪化の分かれ目となる50を依然として大幅に下回っている。
IHSマークイットのチーフ・ビジネス・エコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「事業活動の崩壊は5月も続いたが、4月に底を打った可能性を少なくとも示している」と指摘。「第2・四半期のGDP(域内総生産)は依然として前四半期比で10%前後縮小する公算が大きいものの、夏にかけてロックダウンの解除が進む中、PMIの上昇は景気の下降が引き続き和らぐとの期待を強めるものだ」と述べた。
キャピタル・エコノミクスのジェシカ・ハインズ氏は「ロックダウン措置が徐々に解除されているものの、依然として非常に低迷している域内の経済活動と、今回のPMI指数は全体的に合致している」と述べた。
サービス部門のPMI速報値は12.0から28.7に上昇したほか、ロイター調査による予想25.0を上回った。生産価格指数は先月の40.2から43.0に上昇した。
製造業PMI速報値も33.4から39.5に上昇。予想の38.0を上回った。生産指数は18.1から35.4に上昇した。