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JTは通期見通し据え置き、新型コロナは免税売上げなどで影響

JT本社ビル
JT は30日、2020年1―3月期(IFRS、国際会計基準)の連結営業利益が前年同期比29.4%減の1289億円になったと発表した。写真はJT本社ビル。2016年5月、東京で撮影(2020年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 30日 ロイター] – JT は30日、2020年1―3月期(IFRS、国際会計基準)の連結営業利益が前年同期比29.4%減の1289億円になったと発表した。国内たばこ事業の減益を海外たばこ事業がカバーしたものの、19年度に発生した医薬の一時金、約600億円がなくなったことが大幅減益の要因となった。

新型コロナウイルス感染拡大の影響は、足元までは「限定的なものだった」(寺畠正道・最高経営責任者)とし、通期見通しは据え置いた。ただ、国内外での免税売上げや各国の経済状況などへの影響は4月から本格化するとみており、今後も事業・財務への影響を精査し「第2四半期などの適切な機会に説明する」(見浪直博・最高財務責任者)としている。

同社の国内外の免税売上高は、売上収益の3%未満だという。

新型コロナによるたばこ消費動向の変化について、見浪CFOは、需要の変動が「コロナ禍での非常時の一時的変動なのか、継続して影響するのか、切り分けて考える必要がある。それによって、取り得る対策が異なる」と指摘。さらには、喫煙のリスクがより意識されるとし、RRP(Reduced Risk Products、健康リスクを低減させる可能性のある製品)により一層注力していく、とした。

また、コロナ終息後の各国の経済状況も、嗜好(しこう)品であるたばこ消費には大きく影響を及ぼす可能性が出てくる。

2020年12月期通期の連結売上収益予想は2兆1800億円(前年比0.2%増)、営業利益は4710億円(同6.2%減)を据え置いた。リフィニティブがまとめたアナリスト16人の予想の平均は4620億円となっている。

1株当たりの年間配当は154円の計画を維持した。

JTによると、加熱式タバコ「プルーム・テック」などRRPの国内たばこ市場に占める割合は約24%。同社のRRPの販売数量は紙巻きたばこ換算ベースで9億本となり、シェアは約10%と推計しているという。