都区部コアCPI4月は3年ぶりに下落、全国もマイナスか

ロイター
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都内を歩く人々
5月1日、総務省によると、4月の東京都区部消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)は前年同月比0.1%下落した。ロイターがまとめた民間予測は0.1%上昇だった。2016年9月に都内で撮影(2020年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 1日 ロイター] – 総務省が30日発表した東京都区部消費者物価指数(CPI)によると、4月のコアCPI(生鮮食品を除く)は前年同月比0.1%下落した。2017年4月以来、3年ぶりにマイナスに転じた。新型コロナウイルスによる需要減とそれに伴う物価への影響が出てきており、4月の全国コアCPIもマイナスとなる可能性もすでに指摘されている。

エネルギー・宿泊料とも下落、新型コロナで需要減

コアCPI下落の要因は、新型コロナの影響で、1)需要減少が見込まれた原油安が続きガソリン価格の下落幅が拡大したこと、2)観光需要減で宿泊料が下落したこと──など。

前月に続き、エネルギー関連価格の下落が大きく影響した。原油安の影響で電気代が3.4%、都市ガス代が4.5%、ガソリンが8.1%それぞれ下落。

宿泊料は7.7%下落。下落幅は比較可能な過去5年間で、過去最大だった。外国人観光客の大幅にな減少により需要が蒸発したことが価格下落につながった。

高等教育の無償化に伴い、教育(大学授業料私立)も4.0%下落。

生鮮食品を除く食料は1.4%上昇で、上昇幅は前月の1.8%上昇より縮小。昨年の4月に一部値上げが行われたが、1年経過したことで価格が一巡した。

原油安続けば、都区部・全国コアCPIはマイナス圏で推移

SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは「外出自粛が長引き消費の需要が減少すれば、物価の下押し圧力となるだろう」と指摘。

東京よりも全国の方が車に乗る人が多いことから、全国コアCPIの方が原油価格の影響を受けやすいという。宮前氏は「原油価格が引き続き1バレル=20ドル台で推移すれば、都区部・全国のコアCPIはしばらくマイナス圏で推移する」と予想している。

日銀の黒田東彦総裁は、先月27日に開かれた金融政策決定会合後の記者会見で「物価のモメンタムはいったん損なわれた状態にあると判断している」との見方を示していた。

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