週刊スーパーマーケットニュース 11社の3月度月次速報、軒並み好調も客数に陰り

ダイヤモンド・チェーンストア編集部
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1週間のスーパーマーケットに関するニュースをまとめた『週刊スーパーマーケットニュース』。各社の3月の営業実績が好転した。コロナウイルス対策で需要が増したのか、売上高と客単価の伸びが目についた。災いが業績好転に結びついたという皮肉な面もあるが、店舗の存在が改めてクローズアップされたことも事実だろう。気になるのは、今回まとめた11社の実績でバラツキが大きい点。約12ポイントも差がついた。過度な混雑のない店、手近で便利な店、まとめ買いに適した店、選ばれる条件は色々ありそうだ。(4月10日〜16日のニュースをまとめました)。

2020年2月期8社決算
手堅い施策で健闘したハローズとベルク

 マックスバリュ東海は、昨年9月にマックスバリュ中部と経営統合。統合記念セールや記念商品の販売で競争力を向上させ、既存店が0.4%増と健闘した。ヤマザワは、今期1店舗を閉店。来期の売上高を▲1.1%(連結)で計画するものの、純利益については▲220百万円から110百万円に回復させる。ハローズは、売場面積600坪・24時間営業の4店舗を新規にオープン。一方で、300坪・450坪・600坪の新しい標準店づくりのため、既存4店舗のリニューアルを行った。ベルクは、今期の新店は6店舗で、1店舗を閉店。既存店も6店舗をリニューアルし、1店舗の建て替えを行うなど、積極的な動きをみせた。
下表の、売上高(営業収益)、営業利益、経常利益については対前期増減率(%)、純利益は当期実績(百万円)、売上高対営業利益率は%で表示した。*企業は連結ベース。

企業 売上高(営業収益) 営業利益 経常利益 純利益 売上高対営業利益率
U.S.M.H * ▲0.4 ▲20.8 ▲21.4 1,636 1.4
ライフコーポレーション 2.3 12.7 13.2 7,787 1.9
オークワ 0.1 22.8 24 1,453 1.3
マックスバリュ東海 * 19.9 44.3 42.6 2,937 2.6
マックスバリュ九州 2.9 1.7 1.3 1,228 1.3
ヤマザワ ▲1.2 310.9 244.3 ▲80 0.7
ハローズ 5.8 7.6 7.6 3,544 4
ベルク 6 6.2 6.5 6,900 4.1

3月月次営業(対前年同月比較)
一気に盛り返した既存店

 既存店の売上高伸び率で2ケタ増となった企業は、ベルク15.0%、ヤオコー12.9%、オークワ12.5%など。5%以上の伸びをみせた企業も多く、これまでの低迷を一気に挽回した観がある。客単価の伸びも高い水準となり、ヤオコーが2ケタ増の12.6%のほか、いなげや8.7%、ベルク8.0%と高い伸び率を示した。客数の伸びについては、コロナウイルスの影響もあってか、小幅にとどまった企業が多い。(下表 単位:%)

企業 全店売上高 既存店ベース
売上高 客数 客単価
バロー 4.1 3.2 ▲2.7 6.1
アクシアル 9.2 7.6 1.6 6
マックスバリュ東海 59.6 8.8 2.3 6.4
マックスバリュ九州 12.9 7.3 1.3 5.9
ヤマザワ 2.4 3 1.9 1.9
ハローズ 12.4 7.5 3 4.3
ライフコーポレーション 7.8 6.9 ▲0.2 7.1
ヤオコー 16.2 12.9 0.2 12.6
オークワ 12.4 12.5
ベルク 19.8 15 6.5 8
いなげや 11.1 9.9 1.1 8.7

ヨークマート
新会社設立を機に首都圏SMを再編

 同社は6月1日付けで㈱ヨークへ商号の変更を実施し、イトーヨーカ堂が首都圏エリアで展開する「食品館」と「ザ・プライス」の20店舗、㈱フォーキャストがテスト展開する「コンフォートマーケット」を統合する組織再編を行う。首都圏の食品マーケットへの対応強化の一環として行うもので、店舗フォーマットを確立し、食品シェアの拡大を目指す。4月30日には、㈱そごう・西武から㈱シェルガーデンをセブン&アイホールディングス傘下に組み入れ、シナジー効果を追求する。
 ヨークにおいては、プロセスセンターやセントラルキッチンの導入など、製造・配送・販売を一体化したマーチャンダイジングを強化するとともに、これまで各社が構築してきたマーチャンダイジングについても統合を目指す。将来的には、イトーヨーカ堂の食品事業、ヨークベニマルとも連携し、サプライチェーン全体の効率化を図っていく。

U.S.M.H
2020年度を初年度とする第2次中期経営計画

 2017年度を初年度とする第1次中期経営計画を実行するなかで、顕在化した課題を踏まえつつ、第2次中期経営計画では4つの構造改革(コスト改革、フォーマット改革、ワークスタイル改革、デジタル改革)に注力し、成長できるビジネスモデルづくりに向けて変革を行う。
 基本方針は、①デジタルを基盤とした構造改革を推進し、次代の礎を築く。②「あらゆる人に食を届ける」を目指して、協働と創発を繰り返す。③そのために4つの構造改革を実行する。
 2025年度に営業利益200億円の水準を視野に入れた成長戦略へ転換できるよう、第2次中期経営計画を「改革に取り組む3年間」と位置付け、「食」のニーズに適合した高い成長性を持った企業集団へと変えていく。

ハローズ
コロナウイルス感染症対策で従業員に支援金支給

 全国的なコロナウイルス感染症の拡大に対して、従業員への支援の一環として「コロナウイルス感染症対策支援金」の支給を実施する。
 支給の目的は、①従業員およびその家族に対する、衛生用品や生活必需品などの購入にための支援、②緊急時における、食料品などの生活必需品の販売業務を継続することに対する慰労。
 全従業員が対象で、正社員と嘱託社員が1万円、タイム社員6,000円、アルバイト3,000円とした。4月からの実施で、支給は5月。

ライフコーポレーション
Amazon利用の配送エリアを順次拡大

 アマゾンジャパンが運営するAmazonプライム会員向けサービス「Prime Now」を利用して、ライフ店舗で取り扱う生鮮食品や総菜などの販売を始めたのが昨年9月。東京都の7区でスタートしたが、この4月11日までに5区が加わり、合計12区となった。今夏までにさらに配送エリアを拡大し、20区4市での展開を目標にする。
 対象エリアのプライム会員は、ライフ店舗で品揃えする数千店の商品を、Prime Nowの専用アプリを通じてオンラインで購入できる。配送時間は12時から22時で、2時間単位で指定できる。利用については、プライム会員への登録、Prime Now専用アプリのインストールが必要となる。配達料は購入額1万円以上が無料。

マックスバリュ東海
“家飲み”需要にレモンサワーの詰合せ

 4月14日からレモンサワーが10缶入った「レモンサワーが大好きだぁ!!(レモンサワーアソートBOX)」を発売。チューハイのなかでも人気の高いレモン味(レモンサワー)を、メーカーの垣根を越えて詰合せにした。さまざまなこだわりのあるレモンサワーを6種類、合計10缶(いずれも350ml)の詰合せで、税抜980円。限定数量販売の5,000セット。

サミット
「からあげグランプリ®」で金賞受賞

 一般社団法人日本唐揚協会が主催する「第11回からあげグランプリ®」において、「国内産若どりのスパイシー手羽先揚」が、スーパー惣菜部門(東日本)で金賞と審査員特別賞を受賞した。東日本でエントリーした43社中、金賞の10社のうちの1社に選ばれた。

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