アフターコロナの中国、約7割の小売業がオンラインチャネル拡大へ、食品スーパーはサプライチェーン強化に進む

2020/04/08 05:54
ニールセン・カンパニー (Japan)

収束後の変化とビジネスチャンス

 SARS(重症急性呼吸器症候群)感染拡大の際もそうであったように、今回も消費の量はいずれ回復するだろう。感染拡大によって試練に対峙することとなった中国の小売業界だが、収束後も引き続き、さらなる変化と新たなチャンスに向き合うことになるだろう。

 すでに、中国の多くの小売企業は、新型コロナウイルス感染拡大の先を見据えている。調査対象となった小売企業の46%が今半期の見通しについて楽観的としている。一方で、36%の小売企業が先行きを憂慮しており経営状況が厳しくなると考えている。

 2021年のビジネスチャンスと戦略に関しては、67%の小売企業が「オンラインチャネルを拡大し、基本のビジネスの仕方や小売倉庫のレイアウト変更を加速するだろう」と答えている。53%は、「消費者の購買習慣に応じて商品構成を変更し、健康関連アイテム、除菌剤、衛生関連アイテムの在庫を増やす」としている。また、小売企業の43%は、特に生鮮食品のサプライチェーンに取り組み、さまざまなブランドとの関係を強化してコミュニケーションの効率性を高めたいと答えている。

 オムニチャネル統合の加速やサプライチェーンの強化など共通する課題もありますが、戦略における優先順位は企業によって異なります。

 多くのハイパーマーケットおよび標準的なスーパーマーケットは、主に2つの側面に焦点を当てるだろうことが見えてきている。まず、サプライチェーンの改善と自社対応力構築の加速が挙げられ、デジタル変革を通じて小売機能を包括的に改善し、商品供給、プロセス管理プラットフォーム、物流と配達の時間管理のアップデートなどが予定されている。さらに、オムニチャネルオペレーションを通じて小売ビジネスを拡大し、オンラインとオフラインのショッピング体験をこれまで以上に統合していくことが見込まれている。

 生鮮食品に特化した小さなスーパーマーケットは、規模拡大の加速を計画しており、コンビニエンスストアは、近隣の需要に沿った品揃えを目指している。調査対象となった小規模小売企業の60%は、「オンラインチャネルを拡大し、標準的な店舗サービスに加えて宅配サービスを提供予定である」と回答している。また、コンビニエンスストアは、品揃えを改善し、利便性を向上させて消費者により良いサービスを提供することにより、顧客ロイヤルティの向上を目指しています。

 食料品店では、サプライチェーンのボトルネックを突破することが優先事項となり、サプライチェーンが地域の活性化において中心的な役割を果たすことが期待されている。 新型コロナウイルスの感染拡大により500万を超える中国の食料品店とそのサプライチェーンが試練に対峙した。店舗の60%は品切れに直面し、他のチャネルまたはディーラーから商品を購入した店舗はわずか1.1%、新しいeコマースチャネルを使用した店舗はわずか0.6%だった。つまり、サプライチェーンを強化するために食料品店は、地元のサプライヤーやディストリビューターとの関係を強化し、大規模で新しいデジタル供給プラットフォームの構築をする必要がある。

 パーソナルケア、化粧品、マタニティ&ベビー用品店舗も、オンラインとオフラインチャネルの統合を加速し、マーケティングイノベーションとコミュニティ運営を継続的に促進しながら、主要な商品ラインを利益に変換することに焦点を当てている。

 感染拡大の最中、パーソナルケア製品(必需品を除く)と化粧品の販売が悪影響を受けたが、結果的に小売企業はさまざまなオンライン戦術を使用することで利益を生み出し、店舗外からのトラフィックを増やして店舗で商品を販売するといった流れも生まれている。優れたオムニチャネル戦略を備えた一部のマタニティ&ベビー用品店はこの影響にうまく対処しており、オンライン&オフラインのデュアルストア運営モデルが将来的に顕著になると予想される。

 サージェントは「今回の感染拡大で中国の小売企業は多くを学んでおり、多数の企業がすでにリソース割り当ての強化、サプライチェーンの増強、マルチチャネル統合の加速などを含む、感染拡大収束後の成長戦略と回復戦略を策定し始めています。中国の小売業界は機敏さを発揮してきましたが、これが今後も引き続き重要となるでしょう」とコメントしている。

 

ニールセンは新型コロナウイルスの感染拡大が消費者行動に与える影響について最新情報を提供しています。最新情報は こちら(英語ページ)をご覧ください。


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