国内企業物価指数、2月は前年比+0.8% 原油価格の下落で上昇幅縮小

ロイター
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川崎市の京浜工業地帯
3月12日、日銀が発表した2月の企業物価指数は102.0となり、前年比で0.8%上昇した。写真は川崎市の京浜工業地帯で2016年8月に撮影(2019年 ロイター/Kim Kyung Hoon)

[東京 12日 ロイター] – 日銀が12日発表した2月の企業物価指数(2015年平均=100、速報)は102.0となり、前年比で0.8%上昇した。上昇は4カ月連続だが、1月の同1.5%と比較して上昇率は縮小。ロイターの事前予測調査の中央値プラス1.0%を下回る結果となった。

新型肺炎の感染拡大を受け、原油をはじめとする石油・石炭製品や非鉄金属など、市況性の強い製品の価格下落が前年同月比の上昇率縮小に寄与した。前月比はマイナス0.4%で、6カ月ぶりに下落に転じた。

消費税を除いたベースでは前年比マイナス0.8%(2カ月ぶりのマイナス)、前月比ではマイナス0.5%(4カ月ぶりにマイナス)だった。

消費税を除くベースで、前月比の下落に最も寄与したのは石油・石炭製品(同マイナス4.8%)。続いて、鉄くず・銅などのスクラップ類(同マイナス8.3%)、銅地金などの非鉄金属(同マイナス1.5%)だった。いずれも、新型肺炎の感染拡大を受けて、海外市況での値下がりが続いたことが影響した。

一方、物価指数が上昇したのは掘さく機、ロボットなどのを含む生産用機器(同プラス0.2%)だった。

消費税を除いた実力値ベースで上昇・下落した品目を数えると、公表744品目のうち、前年比で上昇したのは323品目、下落したのは345品目と、下落が上昇を22品目上回った。

日銀は、新型肺炎の感染拡大の影響で「原油をはじめとする国際商品市況の価格が軒並み下落したことが、前年同月比の上昇幅縮小に寄与した」(幹部)と説明。一方、国内外の需給変動については限定的なものにとどまっていると指摘した。

足元では、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟国で構成される「OPECプラス」の追加減産協議が決裂し、原油価格が急落している。同幹部は「3月の企業物価指数に影響を与えるのでは」とコメント。「新型肺炎の感染拡大による影響に加えて、原油価格の動向も引き続き注視したい」(同幹部)と警戒感を示した。

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