2024年度は増収増益のアクシアル、今期減益予想の理由とは?

上林 大輝 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)
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ロピア新潟進出…競争激化する北陸エリア

 売上高3000億円達成に向けた大事な1年目となる今期(26年3月期)は、年度方針に「『もっとおいしさがドまん中大作戦!』~“いかす”アクシアルへ~」を掲げた。

 現在保有するインフラや人材を生かし、ESLPをはじめとした価格対応や、独自の商品・サービスによる競合との差別化をさらに徹底する。

 26年3月期の業績予想では、売上高が対前期比1.5%増の2860億円、営業利益が同5.5%減の114億円、経常利益が同5.6%減の120億円、親会社に帰属する当期純利益が同8.9%減の82億円と、増収減益を見込む。

 この業績予想についてアクシアル リテイリングの原和彦社長・CEOは「新潟戦争の再来を鑑みて、競争に向かっていく姿勢」と表現する。「新潟戦争」とは、02年頃に大手小売業が新潟県内に相次いで進出し、価格競争が激化した状況を指す。

 原社長が身構えるように、昨今、新潟県内の小売業の競争環境は熾烈を極めており、新たな「新潟戦争」の勃発を予感させている。25年5月23日には、食品スーパーのロピア(神奈川県/髙木勇輔代表)が北信越エリア1号店となる「ロピアムサシ新潟店」(新潟県新潟市)をオープン。さらに、25年夏には、「イトーヨーカドー丸大新潟店」を継承した商業施設「CiiNA CiiNA新潟」内に新潟2店舗目の出店を予定している。

 原社長は「競合の出店が相次ぎ、新潟県内の競争環境は久々に激化していくと予想している。しっかりと腰を据えて対応していくため、あえて減益予想とした」と減益予想の理由を語った。新潟を中心とした北陸エリアの新たな勢力争いに、アクシアル リテイリングがどう対処するのか注目だ。

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記事執筆者

上林 大輝 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

2000年生まれ。埼玉県出身。法政大学文学部英文学科卒業後、地方新聞社の営業職を経て株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア入社。

流通小売の専門誌「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部で執筆・編集を行う。

趣味はお笑い鑑賞、音楽鑑賞。一番好きなアーティストは椎名林檎。

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