米ビューティーケア用品市場で売上全体の41%がオンラインにシフトしたワケ
米市場調査会社ニールセンIQ(NielsenIQ)によれば、2024年の米美容製品市場は200億ドル(約3兆円)規模となり、その売上の41%がオンラインで生み出されている。オンラインの存在感が実店舗に迫る中、とくに米アマゾン(Amazon.com)や中国発SNS「TikTok」の果たす役割が大きい。こうした状況を踏まえ、本稿では市場のトレンドや、実店舗がどのように対応しているかを考察する。

コロナ収束後もオンラインでの購買が定着
ニールセンIQが発表したデータによれば、24年の米ビューティーケアおよびパーソナルケア用品市場の41%がオンラインによる購入であった。そのうち12%の購買がモバイルアプリを通じて行われている。
一方、米調査企業のEマーケター(EMARKETER)は、23年から28年の間に、同市場において最も成長するのはオンライン(12%増)であり、免税店(9%増)や専門店(8%増)を上回ると予測する。

独調査企業スタティスタ(Statista)は、米ビューティーケアおよびパーソナルケア用品市場について、24年の規模を201.3億ドル(約3兆円)、29年には236 億ドル(約3兆4000億円)まで拡大すると予測している。今後、同市場でオンラインシフトがいっそう加速することが見込まれるなか、各社がどのように対応するかが問われている。

ニールセンIQ(NielsenIQ)の分析によれば、美容用品のオンラインシフトでもっとも市場占有率を増やしたのはアマゾンである。アマゾンは21年から4年間で、魅力的な価格、短時間配送、商品選択肢の拡大を強みに市場シェアを7.3ポイント(pt)伸ばした。24年の1年間だけでも1.9pt増加しており、成長の勢いは衰えていない。アマゾンのビューティーケアおよびパーソナルケア用品販売の増加は、パンデミック中の巣ごもり需要と、それに同時進行したインフレの高進・高止まりの時期と一致している。
米市場調査企業ヌーメレーター(Numerator)によると、