[東京 25日 ロイター] – 日銀が25日公表した1月の企業向けサービス価格指数は前年比2.3%上昇となった。79カ月連続のプラスとなり、2015年3月のプラス3.1%以来の伸び率となった。12月確報は同2.1%上昇。消費税を除くベースの1月指数は同0.6%上昇だった。
燃料油の価格上昇が、消費税を除くベースの企業向けサービス価格指数の押し上げにつながった。タイトな労働需給を背景に、労働者派遣サービスなどの価格指数が上昇していることも、全体の指数押し上げに寄与した。
消費税を除くベースの1月総平均の主な内訳をみると、諸サービスが前年比プラス0.8%。ひっ迫した労働需給を背景に労働者派遣サービスや土木建築サービスの人件費増加が押し上げにつながった。今年は去年よりも早く中国で春節が始まったことで、宿泊サービスは同マイナス5.7%と前月の同マイナス7.3%からマイナス幅を縮小した。
運輸・郵便は同プラス1.3%。国際的な環境規制により硫黄化合物の含有量が低い燃料油の価格が上昇したことが押し上げにつながった。不動産は同プラス1.5%で、タイトな需給により、オフィス向けなど事務所賃貸の価格が上昇した。
一方、マイナスに寄与したのは、広告が前年比マイナス2.8%、リース・レンタルが同マイナス0.3%だった。広告は、新聞広告が同マイナス0.3%となり、マイナス幅は縮小。一部、自動車関連の企業で出稿の動きが活発になったものの、企業の広告出稿は弱めの動きが続いているという。
日銀は、タイトな労働需給を背景に人件費などが増加傾向にあると説明。基調判断については「ゆるやかな上昇傾向にある」(幹部)とこれまでの見方を据え置いた。
日銀によると、今回の調査結果に新型コロナウイルスの影響は含まれていない。ただ、同幹部によると、一部の宿泊施設では1月末から宿泊者数が減少したり、百貨店などの店舗ではインバウンド消費や国内顧客の減少が見られるという声も聞かれるという。「新型肺炎の拡大による影響を引き続き注視したい」(同幹部)と指摘した。