1週間のコンビニに関するニュースをまとめた『週刊コンビニニュース』。地域ドミナント化を重要と考えるローソンが、フランチャイズオーナーの複数店経営を進めるため、新たな施策を追加した。新店の出店に目を向けるだけでなく、既存店にも着目した点が、昨今のコンビニエンスストア(CVS)を取り巻く状況を踏まえたものとも受け取れ、今後の展開が気になるところだ。競合に対して地歩を固めることはよいとしても、焦るあまり共食いにならないかと案じてしまう。(2月4日から2月10日のニュースをまとめました)
セブン-イレブン
①「行動計画」の進捗状況を発表
セブン‐イレブン・ジャパン(東京都)は、持続可能な成長を実現していくための指針として、昨年4月、「行動計画」を策定し、20年2月4日に進捗状況を発表した。
「行動計画」の骨子となるのは「4つの重点政策」で、「加盟店支援策」、「オーナーとのコミュニケーション強化」、「営業時間の短縮の検討」、「加盟店の売上利益の拡大」からなる。重点政策の進捗状況を下表にまとめた。
加盟店支援策 |
AI発注の導入 |
概要 |
発注業務の省人化・省力化のためAI技術を活用し、発注数を算出・提案するシステムの開発・導入 |
進捗 |
1月31日より千葉県約1100店舗でテストを開始。20年度中に全国導入予定 |
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オーナーとのコミュニケーション強化 |
役員・部長の加盟店訪問と意見交換 |
概要 |
オーナーからさまざまな課題や提案を受け、回答返答。本部の考え方や施策について意見を聞き、双方向で建設的な対話を持つ |
進捗 |
2019年10月から4ヶ月間で、6エリアのオーナーとの意見交換開催。今年末までに全エリアで開催予定 |
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営業時間短縮の検討 |
実証実験の順次拡大 |
概要 |
深夜営業実施時の問題点を抽出し、解決策策定のため希望する店舗で実証実験を実施 |
進捗 |
129店舗が契約時間を変更。 |
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加盟店の売上利益拡大 |
消費期限延長の拡大とエシカルプロジェクト |
概要 |
販売機会の拡充、廃棄ロス削減に向け、味・品質を担保した鮮度延長の取り組みを推進 |
進捗 |
首都圏で販売期間24時間以上の長鮮度化商品比率82.9%に拡大。19年10月30日よりエシカルプロジェクトの実証実験開始。全国展開を見据え、2月10日より九州エリアへ拡大 |
②春のスイーツ4品を発売
セブン‐イレブン・ジャパン(東京都)は、これから迎える春をイメージしたスイーツなど4品を、2月8日から全国(沖縄、一部地域を除く)で順次発売する。季節に合わせた「桜」や「いちご」を使用したスイーツで、人気和菓子の草もち・桜もちに加え、苺を使った洋菓子も揃えた。
・「いちごのレアチーズもこ」(140円、以下税抜)
・「さくら香る桜もち」(130円)
・「よもぎ香る草もち」(120円)
・「苺ホイップのミルクプリン」(208円)
ファミリーマート
①バリアフリー地図情報アプリに多目的トイレ設置店舗情報を提供
ファミリーマート(東京都)は、車いす利用者が使用する「多目的トイレ」の設置店舗情報を、バリアフリーの地図情報を提供する一般社団法人WheeLog(東京都)に、民間企業として初めて提供する。
2月5日から「WheeLog!」(ウィーログ)のスマートフォンおよびPC向けのアプリ上での表示を開始した。ファミリーマートは、2013年から多目的トイレを店舗の標準レイアウトとして設置しており、現在、設置店舗は全国で約4500店舗になった。17年には、ホームページ上で多目的トイレ設置店の検索を可能にし、車いす利用者に対応している。
一方、WheeLogは、17年5月からバリアフリー地図情報を提供するアプリを展開。ユーザーが通った跡が地図上に表示される「走行ログ」や、ユーザー同士が情報交換できる「つぶやき機能」が特徴で、20年1月時点でアプリのダウンロード数は2万6000件を超えている。19年12月には、日本語アプリに加えて英語版、中国語版など10カ国語に対応し始め、世界中に機能の提供を拡大している。また、各地で街歩きイベントを開催するなど、バリアフリー化促進のための活動にも力を入れている。
ファミリーマートは、WheeLogの「車いすでもあきらめない世界をつくる」というミッションに賛同し、車いす利用者に対し、移動の面で支援することとした。
②関西・岡山地域限定 ストアスタッフ発案の「だし巻玉子弁当」など3品発売
ファミリーマートは、関西地域で働くストアスタッフが発案した「だし巻玉子弁当」(369円)、「じゅわっとしみこむメープルトースト」(119円)、「食べてみなはれグラタンデニッシュ」(128円)を、関西・岡山地域の約2900店舗で順次発売する。2月11日からの期間限定。同社においてストアスタッフ発案の商品を発売するのは、18年11月の弁当が最初で、以来、デザート、おむすびなど展開してきた。同社は今後も、ストアスタッフのアイデアをもとに、地域密着の商品開発をしていくとしている。
ローソン
①「不在再配達荷物の店頭受け取り」実験を開始
ローソン(東京都)は佐川急便(京都府)と連携し、既存店舗を活用した不在再配達荷物の店頭受け取りサービスの実験を、栃木県内の店舗で開始した。
実験期間は2月3日から7月31日までで、既存の24店舗が実験に参加する。栃木県の対象エリア内で佐川急便の配達員が投函する不在票に、「ローソン店頭受け取り」の選択を追加する。不在再配達荷物は佐川急便の営業所から店舗に配達され、受取人は店舗で不在票と引き換えに不在再配達荷物を受け取ることができる。今回の実験結果を踏まえ、今後の実施店舗の拡大を検討する。
②加盟店経営の安定に向けた新施策
ローソンは、加盟店の安定した経営継続を重要課題とし、新たな施策を追加する。低利益の加盟店に対しての支援や複数店舗推進に向けた施策、新規加盟店への施策など、短期・中期・長期の取り組みを行い、パートナーシップを築いていく。
主な新施策と内容は、以下の表のとおり。
単店で経営が厳しい加盟店サポート |
低利益店支援策として、1年間限定で月4万円を追加支援。複数店経営を1年以内に実現した場合は、月4万円支援を2年間に延長し、奨励金150万円を支給 |
店長育成サポート |
複数店経営に向けて、本部社員が直接、店舗で店長の育成をサポートする |
新規加盟希望者への対応 |
新規加盟希望者には既存店を紹介。事前に売上が把握でき、クルーがいる状態でスタートできるため、売上に対する不安や求人コスト、教育の負担が軽減される |
5年契約パッケージを新設 |
10年間のフランチャイズ契約に不安を感じる希望者に向けて、新たに5年間の契約パッケージを新設 |
本部経営目標を「店利益」に変更 |
会社の経営目標を、売上から加盟店利益に変更し、店利益前年比110%を目指す。 |
新「オーナーサポート制度」 |
全国7拠点に約100名を配置し、オーナーの休暇取得をサポートする。 |
③宮城県産食材使用の弁当発売
ローソンは2月11日から、宮城県産の食材を使用した弁当を発売する。同商品は、宮城県主催の「高校生地産地消お弁当レシピコンテスト」で優秀賞を受賞した、仙台白百合学園高校の生徒らが考案したレシピを参考にしている。「地産地消」と「豊かなみやぎの海」をテーマに、海の幸を洋風に仕立て、彩りよく盛り付けた点が評価された弁当で、「Buonoだっちゃ弁当」(税込550円)として、県内254店舗のローソンで発売する。
④東北エリアのローソンで「らあめんサンド」監修の2品を発売
ローソンは、岩手県盛岡市の人気ラーメン店「らあめんサンド」監修の即席麺「らあめんサンド鶏そば」(税込298円)と「明太ねぎマヨおにぎり」(税込140円)を、2月11日から東北エリアの1167店舗で発売する。
ローソンストア100
「2019年売れたパン ベスト7」
ローソンストア100(東京都)は、同社のオリジナルブランド「VL(Value Line)」のパンのなかでの2019年販売数ランキング「2019売れたパンベスト7」を発表した。1位は「VL牛乳入りパン(八ヶ岳高原牛乳使用)」で、1年間の販売総数は150万個を超えた。牛乳のやさしい甘さが広がる飽きのこない味わいのパン。2位の「VL3種のよくばりロール」は、コロッケ、とんかつ、ハムカツの揚げ物をロールパンにはさんだ、食べごたえのあるパン。3位は「VLロングウインナーパン(たまご)」で、20㎝を超える長いウインナーをパンに乗せ、さらにたまごとサラダもトッピングされた迫力あるパン。4位「VLミニクリームパン6個入」、5位「VLミニ小倉パン6個入」、6位「VLミニチョコクリームパン6個入」、7位「VLタルタルコロッケロール」がランクインした。
ミニストップ
「十勝ハッシュドポテト」を発売
ミニストップ(千葉県)は2月7日から、北海道十勝産“ホッカイコガネ”を使用した「十勝ハッシュドポテト」(188円)を順次発売する。同社は以前から世界各国のじゃがいもを使用したフライドポテトを販売してきており、なかでも“ハッシュドポテト”は「Xフライドポテト」に次ぐ人気シリーズだ。外はサクッと、中はじゃがいものしっとりとした食感が楽しめる。