[東京 11日 ロイター] – 日銀が11日発表した11月の企業物価指数(2015年平均=100、速報)は102.2となり、前年比で0.1%上昇した。上昇は6カ月ぶり。ただ、この数値には消費税増税の影響が入っており、その影響を除いたベースでは同1.5%下落となった。
ロイターが集計した民間調査機関の予測中央値は前年比横ばいだった。
消費税を除くベースでは6カ月連続でマイナスとなったが、下落率は10月の同1.9%下落から縮小している。米中貿易協議への期待感から原油価格が小幅に上昇していることに加え、前年同月は米中懸念で物価が弱含んだ時期だったため、その反動が下落率の縮小に寄与した。
消費税増税の影響を除くベースを類別でみると、石油・石炭製品は前年比9.9%下落(10月は15.6%下落)、スクラップ類は同26.4%下落(同31.3%下落)、非鉄製品は同6.0%下落(同6.3%下落)などとなっている。
消費税増税の影響を除くと、公表744品目のうち、前年比で上昇したのは328品目、下落したのは342品目となっており、下落が上昇を14品目上回った。
前月比では0.2%上昇、消費税を除くベースでは同0.1%上昇だった。石油・石炭製品が押し上げに寄与した。
日銀は11月の結果について「企業の価格設定スタンスに大きな変化は生じていないことが改めて確認された」と指摘。足元の動きについては「米中貿易摩擦を背景とする市況の弱含みで価格の下落傾向が続いてきたが、ここ数カ月については米中貿易摩擦に対する市場の懸念が和らぎ、むしろ協議進展に対する期待もあり一段の価格下落圧力は後退している」との見方を示した。